研究課題/領域番号 |
05236207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
宮下 晃 埼玉大学, 工学部, 助教授 (90132729)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 重合触媒 / シンジオタクチックポリスチレン / 反応中間体 / 活性構造相関 / 反応機構 |
研究概要 |
最近、金属錯体周辺の配位環境の対称性を崩し、しかも分子構造に大きな歪みを持たせた遷移金属錯体が重合触媒として大変注目されている。本研究では、まずα-オレフィン類の重合反応制御と新しい機能性高分子の創製を目的として種々の架橋基で結んだシクロペンタジエニル基を配位子とする前周期遷移金属錯体を用いたスチレンの立体規則性重合とそれらの可能な反応機構について検討した。その結果、これらの触媒を用いるとスチレンは容易に重合しシンジオタクチックポリスチレンを与えた。Ti錯体の立体構造と重合活性及び立体選択性との間に相関性があり、Ti錯体上の配位子の立体的因子、即ちCp-Ti-Cpの形成するBite-angleがより小さい程その重合活性及びSPS選択性が大きく向上した。また、これらスチレン重合反応における反応活性種としてTi-MAO錯体を単離構造を検討した。これらは、単独でスチレンの立体規則性重合に高い活性を示した。一方、Ti-MAO錯体はMAO存在下でスチレンと反応し2-フェニルチタナシクロブタン錯体を生成(NMR、DCI分解)した。しかし、これらは過剰のMAO存在下では熱力学的に安定な3-フェニル置換体に異性化することがなく、アルモキサンオリゴマーが配位子として反応活性中心の錯体周辺における立体的環境制御に重要な役割を演じていることを示唆している。2-フェニルチタナシクロブタン錯体は10当量のMAOとの反応で赤茶色沈殿(54%)を生成した。得られたTi錯体は低温下でのDCIとの反応により1-フェニルプロパン-1、3-d2(67%)と1-フェニルプロピレン-3-d1(33%)を生成したこと、及びこれらが単独でスチレンの重合活性を有することから、本錯体はイオンペアー型Ti-MAO錯体と推定している。
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