研究課題/領域番号 |
05237208
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 豊信 東京大学, 工学部, 教授 (00111477)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | フリーラジカル / 誘導結合式プラズマ / 原子状酸素 / 低圧ICP / プラズマフラッシュ蒸発法 / 酸化物超伝導体 |
研究概要 |
誘導結合式・プラズマ(ICP)中のフリーラジカル量を調べ、制御することを目的として次の実験を行なった。 1.原子状酸素フラックスの測定 QCMを利用した原子状フラックスセンサーを用いて、200Torr Ar-O_2熱プラズマフレーム中の原子状酸素量を測定した。基板に到達する酸素ラジカル量は、半径50mmの範囲でほぼ均一で、2×10^<18>atom/sec-cm^2以上であることが分かった。 2.熱プラズマコーティングプロセスにおけるクラスター計測 プラズマフラッシュ蒸発法によるYBa_2Cu_3O_<7-χ>膜堆積においてプリカーサーのサイズをトレンチ法を用いて計測した。金属原子は酸素ラジカル中で数十nmのクラスターとして基板に到達していることが分かった。 3.サイクリック熱プラズマCVD法によるDiamond堆積 基板ターンテーブルの回転速度を高速化し、境界層流れ及び1回転当たりの成膜時間を変化させ、これらのDiamond堆積膜質に及ぼす影響を調べた。回転速度150〜250rpmにて良質のDiamond膜が得られた。 4.低圧ICP-CVD法によるcBN薄膜堆積 低圧ICP-CVD法において、圧力及び基板位置がcBN生成に及ぼす効果を調べた。その結果、低圧で基板-入力部の距離が短いほどcBN薄膜堆積には有利であった。また最適条件下では一定量のhBN堆積後、cBNが単相で成長することが確認された。 ICPは大気圧ICPと低圧ICPに分類できるが、大気圧ICPでは、高い粒子密度、高いエネルギー密度のため、大量のフリーラジカルの生成が期待できる半面、粒子の平均自由工程が短いため、その寿命が短い。従って、フリーラジカルの制御は境界層の制御となる。現在、境界層の様子を広い範囲に渡って観察可能な大気圧ICP用のチャンバーを試作している。また、ラジカル寿命や効率の点からは低圧ICPが有利と思われる。現在低圧ICPcBN気相合成用装置に四重極質量分析装置を取付中である。
|