研究概要 |
アセトニトリル中、9-置換10-メチル-9,10-ジヒドロアクリジン(AcrHR)およびアルキルアントラセン(RAn)のFe^<3+>による電子移動酸化反応について検討した。AcrHRを電子移動酸化すると生成するAcrHR^+のC(9)-HあるいはC(9)-C結合が開裂し、その選択性はアルキル基の種類により変化することを見いだした。その選択性の変化はラジカルカチオンのEPRスペクトルの超微細結合定数の変化から予想されるアルキル基の種類による構造変化とラジカルカチオンの減衰速度の変化と良く対応した。また、RAnの電子移動酸化ではアントラセンの環酸素化物が得られ、速度論解析からその反応機構を明らかにした。さらに[Fe(bpy)_3]^<3+>(bpy=2,2'-ビピリジン)をゼオライトYのスーパーケージ内に閉じ込め、ゼオライト中におけるAcrHRおよびRAnとの電子移動反応を行ない、溶液中における電子移動反応の結果と比較検討した(スキーム1)。 スキーム1
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