研究課題/領域番号 |
05239102
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00111568)
|
研究分担者 |
岩城 敏博 富山大学, 工学部, 教授 (90019191)
鈴木 俊夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
福迫 尚一郎 北海道大学, 工学部, 教授 (00001785)
齋藤 武雄 (斎藤 武雄) 東北大学, 工学部, 教授 (80064161)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
58,400千円 (直接経費: 58,400千円)
1995年度: 14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
1994年度: 20,200千円 (直接経費: 20,200千円)
1993年度: 23,300千円 (直接経費: 23,300千円)
|
キーワード | 急速凝固 / 分子動力学 / 核生成 / 液体急冷 / 接触熱抵抗 / 接触界線 / 伝熱 / 凝固 / 過冷 / 凝固シシュレーション / 過冷却 / 超急冷 / 素材製造 / 凝固組織 |
研究概要 |
一般の過冷融液における凝固過程は、過冷融液の形成→凝固核生成→結晶成長(→界面不安定)→組織構造生成といった素過程時系列により構成される。本研究では、この時系列の本質的変容により従来の凝固過程に比べて様々な特長をもたらし得る超急速凝固過程の開発を目的とした。 超急速凝固効果を予測し材料設計に寄与するために、急速凝固における素過程時系列に関して、極めて予測が困難である核生成条件、核生成から組織構造形成に至るモデリング、および分子動力学の適用を取り上げた。核生成過冷度については、融液体積や冷却速度の影響が実験的に把握された。急速凝固サンプル分析による核生成点分布の測定法が開発され、核生成点は融液初期過熱度が大きな場合はランダムに分布し、過熱度が小さい場合は従来の認識と異なり規則配置となることが示された。この結果に基づきデンドライトなど組織形成に至る過程のモデル構築が凝固速度をパラメータとして行われた。さらに、冷却面表面性状の調整により、冷却速度や核生成過冷度の均一化が図れることを示した。分子動力学法の適用に関しては、実験では追跡不可能な超急速凝固過程における熱応力・転移などの発生を追跡できる段階に至った。 凝固速度を高速化する課題に対しては、融液急冷凝固システムの代表例である固体伝導冷却システムを取り上げ、超高速冷却を阻害している過冷融液・冷却固体間における接触熱抵抗の発生は接触界線の安定性と密度に関連していることが示された。即ち、移動冷却面上に形成される接触界線は、低速でも高速でも不安定であり、中程度の速度でのみ安定である。安定領域の上限界は動的非濡れ条件により定まり、下限界は冷却面材料の熱伝導率が低いほど低下し、接触界線を安定化させ接触熱抵抗の軽減を図るには凝固先端を接触界線より下部に位置させることが有効であることが示された。
|