研究課題/領域番号 |
05239206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木塚 徳志 名古屋大学, 工学部, 助手 (10234303)
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研究分担者 |
石田 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (60013108)
田中 信夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40126876)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 超微細加工 / ナノ機構 / ナノ構造 / 電子顕微鏡 / 電子線 / 動的観察 / 構造解析 / 組成 |
研究概要 |
原子レベルで構造制御されて作製された先端材料を、さらに広範囲に利用するためには、同程度の加工精度をもつ超微細加工が必要とされる。本研究代表者は現在その最も期待できる手法が電子線超微細加工であると考えた。本研究は直径がわずか数nmしかない電子線を用いて、ナノメートル規模の線書きや穴あけ、構造変化などの加工が原子尺度の精度で制御できることを示し、そのうえその加工過程を加工後にではなく加工中に原子尺度の空間分解能と60分の1の時間分解能をもつ高分解能電子顕微鏡で明らかにした。 加工領域の最小径を1nm以下、加工領域の最小間隔を13nmまで制御できることが本研究より証明された。この値は直接的な電子線超微細加工では世界で最も精度の良いものである。また酸化物超伝導体用の酸化マグネシウム基板が電子線で超微細加工できることを明らかにしたのも本研究が初めてであり、電子デバイス応用面に対する貢献は大きい。さらに、本研究では前述の観察法により、このような加工が電子線によるはじき出しとFeibelman-Knotek機構から生じるクーロン反発力による表面原子の脱離に起因すると考えられる昇華現象によって進行することを初めて明らかにした。この結果は加工学は勿論、固体物理学においても貴重である。また本研究で開発された動的原子観察手法は電子顕微鏡学的にも重要なものである。 以上のように本年度では電子線超微細加工を経験的な技術から工学的手法に発展させるための基礎となる加工精度の向上、加工物質の探索、加工過程の物理的解明などの成果を得た。
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