研究課題/領域番号 |
05240207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
灘岡 和夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70164481)
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研究分担者 |
八木 宏 東京工業大学, 工学部, 助手 (80201820)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 浅い水域 / 乱流モデル / SDS乱れ / 大規模渦 / 多ソース・多重構造性 / LES / 数値シミュレーション / 平面2次元場 |
研究概要 |
沿岸海域における潮流や海浜流、河川における開水路流、さらには湖沼における流れなど、沿岸海洋学や海岸工学、河川工学、湖沼学などで対象とする流れは、総じて『浅い水域での流れ場』として特徴づけられるが、流れ場の規模や複雑さなどに起因する制約から、その解析に通常のLESや時間平均クロージャーモデル等の乱流モデルを直接適用することはできない。そこで、本研究では、浅い水域での乱流構造に関する洞察に基づいて、その物理特性を反映させることが可能で、かつできるだけ汎用性・実用性を備えた形の乱流モデルを開発することを試みた。 具体的には、浅い水域での乱流場の本質的特徴が『多ソース・多重構造性』にあることに着目し、水深を乱れの多重構造性を支配する最も重要な長さスケールとしてとらえて、1)水深スケール以下の3次元的な乱れはそのソースも含めてモデル化し、2)平面2次元的な大規模乱流現象については数値計算によって直接解を求める、という枠組みでの乱流モデル『subdepth-scale(SDS) & 2DHモデル』を構築した。これは、空間スケール分離の導入という意味ではLESと似ているが、(1)計算格子スケールではなく、水深という乱れの物理構造上のキーとなる長さスケールを分離スケールにとり、(2)それ以下のスケールの乱れ(SDS乱れ)に対してSmagorinskyモデルのように局所的な普遍構造の存在を前提としておらず、(3)しかもSDS乱れ"に直接対応する底面摩擦や砕波、風応力といった効果を乱れのソースとして陽に取り込んでおり、(4)さらに、SDS以上の大きさの大規模渦は平面2次元場として取り扱うので、数値計算上の負担が大幅に軽減される、といった多くの特長を有するモデルとなっている。 ここでは、このモデルを海浜流、河川流に適用して実験データ等と比較することを通じて、その妥当性ならびに有用性を検討するとともに、大規模渦の力学過程から見たこれらの流れ場の特徴を明らかにした。
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