研究課題/領域番号 |
05241202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
市川 熹 千葉大学, 工学部, 教授 (80241933)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1993年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | 対話型自然言語 / 抑揚 / ニュース音声 / ピッチ周波数 / ポーズ / ガーデンパス文 / 手話 / 協調分散処理 |
研究概要 |
1.研究設備の整備ワークステーションを導入、音声の抑揚解析表示ソフトウェア等を開発・整備した。 2.研究進捗状況(1)a:NHK・FM放送のニュース音声(約10分間、男性アナウンサー)の抑揚を解析した。聞き取り易い構成とするために、ニュースのテーマが変る時点や、談話内での話しの流れの転換点での接続詞の使い方に、抑揚の主要要素である声の間(ポーズ)の取り方やピッチ周波数に大きな特徴があることが観察された(当初計画)。b:袋小路文(ガーデンパス文)と呼ばれる非常に複雑な文章に対する理解能力について、文字表記からの読み取りによる理解と音声からの聞き取りによる理解の比較実験を行い、抑揚情報を持つ音声からの理解が圧倒的に優れていることを確認した(追加研究項目)。(2)話し言葉(音声)と同様に自然対話言語である手話に注目し、両者を比較することにより自然対話言語の特質を明確にすることを計画、自然音声対話言語の特徴としての抑揚の持つと予想される役割(単語などの接続関係情報として実時間での意味把握を容易にする、など)に相当する情報が手話にも存在することを確認した。対話型自然言語としての手話に、音声の抑揚に相当する情報が存在するという仮説の下での工学的研究は内外にその例が見あたらないユニークなアプローチと思われ、手話学会、学振委員会などから講演招請を受けている(追加研究項目)。(3)これらの結果は、対話型自然言語理解の処理を行うには、音韻認識等の分節的情報の認識処理と抑揚等の情報から文の構造等を推定する処理を並行して行い、対話の進展を予測する機能などと合わせて協調分散処理を行うエージェント方式とすることが、本質的に重要であることを示唆している。(4)以上の結果を踏まえ、来年度は対話音声における対話制御に対する抑揚の検討などに着手する。
|