研究課題/領域番号 |
05241211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石崎 俊 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (00245614)
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研究分担者 |
田中 茂範 慶應義塾大学, 環境情報学部, 助教授 (50171757)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 対話文理解 / 認知意味論 / チャンク / 意味理解 / 概念辞書 / 認知心理実験 / 英語対話データ / 距離空間 |
研究概要 |
自然な発話状況における対話文では、言いよどみ、言い直しなどの現象や、意味はよくわかるが文法的にはおかしい文が多く発生するため、従来の自然言語処理研究で使用されて来ている文法や構文解析技術では不十分な点が多い。そのような対話文においては、意味を主体として解析を進める必要性が強く感じられている。従って、対話モデルにおける処理単位としては、構文情報を中心とした従来のものよりも、意味を主体としたまとまり(チャンク)を中心として情報を交換するというモデルを考える。 本研究ではまず、そのようなチャンクという概念について日常言語の立場から考察して、チャンク操作定義を3つの基準(言語単位、慣用度、息継ぎ)として与えた。それを実際の英語対話データ(約3万語)について具体的に検証し、言語の断片性、慣用性、心理学的実在性などについて論じた。具体的には、You know I meanという慣用句の分析を定量的に行った。 また、本研究では、柔軟な意味解析機構を持ったモデルの構築を目標のひとつとし、それに適した意味解析法や概念辞書が持つべき構造と機能に関して基礎的な検討を行った。具体的には概念間の距離をMDS法という認知心理実験を通して定量的な距離空間を構成することによって導入するための検討を行った。つぎに、意味空間における距離を、状態を表す概念を指標としてSD法という認知心理実験で観測し、意味理解における概念間の距離の変化の考察を行った。そのような状態を表す概念には多くの情緒的情報を含む概念が使われているため、自然言語処理における情緒的な意味情報の扱いに関する基礎的な検討も行った。
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