研究分担者 |
野呂 哲夫 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (30164750)
梶野 敏貴 国立天文台, 理論宇宙物理部門, 助教授 (20169444)
本林 透 立教大学, 理学部, 助教授 (20116114)
久保野 茂 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20126048)
加藤 静吾 山形大学, 教養部, 教授 (70013422)
|
研究概要 |
1.本研究に対する磁気分析素地のイオン光学的適合性を,理研SMARTスペクトロメター第一焦点面(F1),第二焦点面(F2),核物理研究センター大口径スペクトロメターについて行った。その結果,SMART-F2を最適と判断した。SMART-F2は,(1)角度分解能が水平垂直とも良く(0.1°),(2)0°での大立体角測定が可能であり,(3)ビームと弾性散乱をSMART-F1で止めることができ,かつ,(4)エネルギー分解能が良い点で,他に優れている。 2.alpha-^<12>Cコインシデンス計数率と物理学(projectile fragmentation)バックグランドの評価をモンテカルロ法により行った。ビーム強度と標的厚の積が50enA・mg/cm^2に対して,相対エネルギー1.5MeVで,コインシデンス計数率は170counts/100keV,バックグランド計数率は10^4counts/secと評価された。コインシデンスの収量を上げるため,高計数率(10^6counts/sec)の焦点面検出器の開発が必要である。 3.研究方法論として,核力とクーロン力の競合する状況下での「クーロン分解法」の適用可能性に新しい方向が出された。それは,核力とクーロン力の両方の寄与を含む直接分解反応のデータを,連続状態の波動関数(例えばmicroscpicクラスター波動関数)の決定のために積極的に活用するものである。 4.1994年1月に理化学研究所でテスト実験を行い,(1)SMAPT-F1での厚いカーボングラファイトを使ったビーム止め,(2)SMART-F2でのalpha-^<12>C同時測定,(3)物理的バックグランド強度の実測等を行った。このテスト実験のため,焦点面トリガーカウンターとビームストッパー装置を製作した。
|