研究課題/領域番号 |
05245205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
有坂 文雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (80133768)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | AFM / STM / T4ファージ / ファージ尾部 / 尾管基盤複合体 / ファージ尾部基盤 / 小尾繊維 / 構造変化 |
研究概要 |
生物試料をAFMまたはSTMによって観察する利点は以下のように考えられる。即ち、1)染色無しに天然の状態で観察できること、2)透過型電子顕微鏡では物体の手前(near side)の凹凸と遠い方(far side)の凹凸を区別できないが、AFM/STMでは表面構造即ち手前の凹凸のみを見ることができる。3)構造変化を経時的に観察できる可能性がある、などである。これまでに、尾部(テイル)、尾管-基盤複合体(チューブベースプレート)、小微繊維(ショートテイルファイバー)を単離精製し、コンタクトモード及びタッピングモードAFMを用いて観察を行ない、以下の結果を得た。1)T4ファージ:良好な像が得られ、直径nmの尾繊維(テイルファイバー)も確認できた。全体に電顕画像と比較して20ないし30%大きめであるが、頭部とテイルの長さの比が用いる探針によって異なり、探針の曲率半径のばらつきによると思われる。テイルおよび尾管・基盤複合体:後者はシース蛋白質が解離している分だけ円筒構造の直径が小さく、両者は容易に区別できた。後者の観察で基盤だけ分離した像を時折見ることがあり、その結果基盤の底部と上部の(基盤平面に対して)非対称な構造を区別して捉えることが可能であることが示唆された。テイル、尾管・基盤複合体いずれの場合も基盤の厚みが電顕像に比して大きく、AFMの試料としては、高さはあまり大きく変化しないものの方が適当のようである。小尾繊維:一方の端がやや太い構造が観察された。また真っ直ぐなものや「く」の字型に曲がったものも観察された。濃度が高いときに六角形状に集合した像が見られた。これは基盤内に格納されているときの状態を反映している可能性がある。コンタクトモードに比してタッピングモードの方が比較的容易に良好な画像が得られた。小尾繊維はSTM観察の材料として適当かもしれない。
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