研究課題/領域番号 |
05246206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮崎 慶次 大阪大学, 工学部, 教授 (40029202)
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研究分担者 |
井上 正二 大阪大学, 工学部, 教務職員 (10203233)
堀池 寛 大阪大学, 工学部, 助教授 (20252611)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1993年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 原子力安全 / 蒸気爆発 / 溶融錫 / 溶融アルミニウム / 圧力波 / エネルギー転換率 / 衝撃波管型 |
研究概要 |
原子力発電の安全確保のための深層防護の観点から、万一の蒸気爆発における圧力波とエネルギー転換率の評価に資する目的でその基礎研究を行った。 研究方法としては、鉛直に長い衝撃波管型試験部に高温溶融物プールを作り、上部を真空にし、その上部から膜破断により長さ約1mの水柱を落下させて熱的相互作用を起こし、慣性拘束状態での発生圧力を測定するとともに、上昇する水柱の運動速度を測定し、機械的エネルギーへの転換率を評価した。溶融物として今のところ、錫(融点232℃)及びアルミニウム(融点660℃)を使用して、200〜800℃の温度範囲で実験を行っている。試験部の管内径を従来の31mmから42mmへとスケールアップを図って、実験を進めている。 これまでの研究結果の概要は次の通りである。 1)発生圧力はパルスピークが数10MPaに達するが、持続時間は1ms以下と短く機械的衝撃は小さい。機器に与える損傷は問題外である。時間積分であるインパルス(力積)で整理すると機械的エネルギーに対して比例関係がある。 2)溶融錫温度が増すと、蓄積熱エネルギーが大きくなるので、機械的エネルギーは増すが、ある温度領域ではやや減少することがある。これは安定な蒸気膜が形成され緩和効果が働くためではないかと推測される。 3)エネルギー転換率の溶融金属温度に対する依存性は、変動幅が大きく明確な傾向を見いだすことは困難だが、概ね1%前後かそれ以下に留まっている。 4)アルミニウムについては、衝突速度が小さい間は固化の影響による温度しきい現象が見られるが、衝突速度が大きく混合がよくなると曖昧になる。 今後は、圧力依存性、圧力伝播、外部圧力誘発による蒸気爆発を調べる。
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