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SV40 large Tによる筋細胞複製の過程におけるc-jun誘導の機構

研究課題

研究課題/領域番号 05249201
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関千葉大学

研究代表者

遠藤 剛  千葉大学, 理学部, 助教授 (30194038)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード筋細胞分化 / 脱分化 / SV40 large T抗原 / c-Jun / Junファミリー / Fosファミリー / 細胞周期 / シグナル伝達
研究概要

誘導性のプロモーターにつないだSV40 large T抗原遺伝子をマウス骨格筋細胞株C2にトランスフェクトして得た形質転換細胞株C2SVTでは,未分化の筋芽細胞にlarge Tを発現させると,分化が阻害される.またあらかじめ最終分化を起こして筋管細胞を形成させた後にlarge Tを発現させると,不可逆的にG0期に停止していると考えられていた細胞が脱分化をして,細胞分裂がもたらされる.分化阻害と脱分化のいずれの過程においても,Junファミリー(c-Jun,JunB,JunD),Fosファミリー(c-Fos,FosB,Fra-1,Fra-2),およびc-Mycのうちで,c-Junのみがlarge Tの発現ときわめて協調的に誘導された.このc-Junの誘導は,転写レベルで活性化されたことによるものであった.また,転写因子AP-1が結合するTRE配列を持つcollagenase遺伝子プロモーターが,large Tの発現により活性化されたことから,誘導されたc-JunはAP-1として機能していることが示された.さらに,junファミリーとfosファミリーのアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASONs)を用いた実験では,large Tを発現させた筋芽細胞におけるDNA合成は,c-jun ASONにより阻害されたが,その他のASONsでは阻害されなかった.したがって,large Tによる細胞周期の再開には,誘導されたc-JunがおそらくホモダイマーでAP-1として機能することが不可欠であると考えられる.
また,筋芽細胞と筋管細胞にlarge Tを発現させても,フォスフォチロシン量の増大,フォスフォリパーゼCの活性化,Rasの活性化(結合GTP/GDP比の増大),およびMAPキナーゼの活性化はみられなかった.したがって,核内に局在するlarge Tは,これらの細胞質のシグナルを活性化せずに,AP-1などの核内の転写因子を活性化することにより,細胞周期を誘導するものと結論される.

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Endo: "SV40 large T inhibits myogenic differentiation partially through inducing c-jun." J.Biochem.112. 321-329

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] K.Fukami: "Requirement of phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate for α-actinin function." Nature. 359. 150-152

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] T.Endo: "Retinoblastoma gene product Rb accumulates during myogenic differentiation and is deinduced by the expression of SV40 large T antigen." J.Biochem.112. 427-430

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] K.Maruyama: "A novel domain sequence of connectin localized at the I band of skeletal muscle sarcomere." Biochem.Biophys.Res.Commun.194. 1288-1291

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] K.Fukami: "α-Actinin and vinculin are PIP_2 binding proteins involved in signaling by tyrosine kinase." J.Biol.Chem.269. 1518-1522

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] K.Maruyama: "A partial connectin cDNA encoding a novel type of RSP motifs isolated from chicken embryonic skeletal muscle." J.Biochem.115. 147-149

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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