研究課題/領域番号 |
05249210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 建夫 大阪大学, 理学部, 助教授 (40051817)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ColE2群プラスミド / ColE2プラスミド / ColE3プラスミド / 複製開始蛋白質 / 複製開始部位 / DNA結合蛋白質 / プラスミド特異性 / 特異性決定機構 |
研究概要 |
ColE2群プラスミドの複製開始蛋白質の機能解析を目標として、本年度は主としてColE2とColE3との間での複製開始蛋白質(Rep)と複製開始部位(Ori)の相互作用の特異性決定の仕組みを明らかにすることを目的とする研究を行なった。本年度の研究により下記のような成果を得た。 1.認識・結合の特異性は、RepのC末端側約4分の1の領域内の2ヶ所のアミノ酸の欠失・挿入を含む領域(AとB)とOri内の2ヶ所の1塩基の欠失・挿入のある部位(αとβ)の組合せによって決まることが明かとなった。即ち、AとαおよびBとβの由来がそれぞれ一致する場合には、RepとOriとの結合が安定であり、プラスミドの複製開始効率が高く、プラスミドが安定に保持される(正常)。一方、Aとαの由来のみが一致する場合には、RepとOriとの結合が非常に不安定であり、複製開始効率が低く、プラスミドの保持がやや不安定となる。2.プラスミドのコピー数は、高い複製開始効率を示すRepとOriの組合せの場合より、低い複製開始効率の組合せの場合の方が高いことが判明した。このことは、RepとOriの組合が不安定な組合せでは、複製開始の調節が正常に行われないことを示すと考えられる。3.A領域については9アミノ酸の欠失・挿入が特異性を決定していることが解った。また、B領域については2アミノ酸の欠失・挿入以外の残基が特異性を決定していることが解った。4.α部位については挿入残基がAでもTでもColE3特異性を示した。また、β部位についてはGのみColE2型となった。以上のことから、A領域がRep内の2つのドメインをつなぐリンカー領域で、対応するα部位がOri内の2つの領域を隔てるスペースであるという新しいDNA結合の特異性決定機構の存在の可能性が示唆された。この点を明確にすることは今後の課題である。
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