研究課題/領域番号 |
05251203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有賀 寛芳 北海道大学, 薬学部, 教授 (20143505)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アポトーシス / c-myc / Pim-1 / DNA断片化 / 細胞死 / 神経細胞 |
研究概要 |
細胞死は細胞増殖、細胞分化とともに遺伝子支配された細胞にとって極めて重要な生命現象である。免疫系などに顕著な細胞死アポトーシスが報告され研究されてきたが、近年神経細胞を含む多くの細胞でその重要性が報告され初めている。我々は1987年にc-mycの過剰発現により細胞が細胞死アポトーシスを起こすことを報告した。当時はほとんど注目を集めなかったが1992年に入り相次いでc-mycによるアポトーシスが報告された。アポトーシスは染色体DNAの断片化が一つの基準となっている。我々はこの染色体断片化を起こすDNaseの性状とmycとの関連を解析した。ヒトHL60細胞にアクチノマイシンD(ActD)を作用させると短時間に染色体DNAの断片化を伴った典型的なアポトーシスが生じる。c-mycはDNAの断片化に際だって急激な発現減少が生じ、これがアポトーシスの引き金と考えられる。この時作用するDNaseはCa,Mgなどの二価イオン非依存性の新規なDNaseであった。このDNaseの部分精製に成功した。 また最近はDNAの断片化が必ずしもアポトーシスと関連しないという報告も存在する。我々の1987年の論文においてマウスNS-1またはそれ由来のハイブリドーマ細胞では細胞死の兆候を示さずにDNA断片化が常に生じていた。そこでNS-1由来の他の2種のハイブリドーマ細胞でこの現象を確認した後、ここ1、2年で次々に報告されてきたアポトーシス関連遺伝子の発現を検討したところ、アポトーシスを抑制すると報告された癌遺伝子Pim-1の発現上昇が観察された。このことはこれらの細胞ではアポトーシスに関与するDNaseは既に活性化されており、その後のアポトーシスのステップを少なくてもPim-1が抑制している可能性が示唆された。
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