研究課題/領域番号 |
05251204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脊山 洋右 東京大学, 医学部(医), 教授 (90010082)
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研究分担者 |
加納 和孝 東京大学, 医学部(医), 助手 (70111507)
久保田 俊一郎 東京大学, 医学部(医), 助教授
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | CTX / 脳腱黄色腫 / コレスタノール / 帯状角膜変性症 / カルシュウムチャンネル / X線マイクロアナライザー |
研究概要 |
脳腱黄色腫(CTX)は先天性代謝異常症のひとつである。アキレス腱の黄色腫と共に小脳症状や錐体路障害などの神経症状が発現する。この神経症状は神経細胞の障害、ひいては細胞死に起因するものと考えられるが、疾患モデル動物を用いてこの細胞障害のメカニズムを明らかにする実験を行った。神経細胞膜は脂質としてコレステロールとリン脂質から構成されているが、CTXではこのコレステロールが構造類似のコレスタノールによって置換されている。マウスに1%コレスタノール食を投与すると、8カ月後には回旋運動をするcircling mouseが出現した。この際コレスタノールが小脳のステロールに占める割合は3%に達する。ヒトの剖検脳ではこの値が34%に達したという報告があり、3%では黄色腫の形成には至らないが、すでに神経症状はあらわれている。一方、この時期のマウスには帯状角膜変性症も認められた。この角膜の病変部を組織学的に観察すると、上皮層の直下のストローマ層にコレスタノールの沈着と細胞壊死がみられ、この部分をX線マイクロアナライザーで分析するとリン酸カルシュウムの存在が認められた。この知見は高コレスタノール血症にともなって角膜にコレスタノールが沈着し、細胞膜の機能が障害されてカルシュウムとリン酸が蓄積し、細胞死に至ったことを意味している。このことは細胞膜のコレステロールがコレスタノールで置換されることがカルシュウムチャンネルの働きを阻害し、カルシュウム依存性の情報伝達が遮断されて神経機能が傷害されることが示唆され、CTXにおける神経症状発現の機序を裏付ける知見として、重要なデータといえよう。
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