研究課題/領域番号 |
05251208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
丹羽 利充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20208268)
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研究分担者 |
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40064802)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 脳 / MPTP類似物質 / N-メチルドーパミン / テトラヒドロイソキノリン / N-メチルサルソリノール / N-メチルノルサルソリノール / ガスクロマトグラフィー / 質量分析法 |
研究概要 |
パーキンソン病患者の脳内に発見されたテトラヒドロイソキノリン(TIQ)をサルに投与することにより、パーキンソン病様症状を惹起することが明らかになった。しかし、TIQの脳内濃度はパーキンソン病患者において必ずしも増加していない。このため、他のTIQ関連化合物をパーキンソン病患者脳内で探索した。この結果、N-メチルサルソリノール(NMSAL)、N-メチルノルサルソリノール(NMNSAL)をパーキンソン病患者脳内において初めて検出した。また、N-メチルドーパミン(エピニン)がパーキンソン病患者脳内に存在すること、およびエピニンからアセトアルデヒドとのPictet-Spengler縮合反応によりNMSALが生成することをin vitroで明らかにした。そこで我々はエピニンをマイクロダイアリシス法によりラット脳の線条体に注入し、in vivoでNMSAL、NMNSALが生成するか検討した。Wister系ラットを用い、麻酔下で線条体にカニューレを挿入した。カニューレをKrebs-Ringer液2μl/分で潅流し、潅流液を採取した。1mMエピニンの投与前および3時間後の潅流液を試料とした。潅流液に1Mの硫酸アンモニウム0.11M NaOHに溶解した溶液4mlを加えpH8.5に調節した。直ちにフェルニルボロン酸カートリッジ(100mg/ml)に添加した。蒸留水、メタノール各1mlで洗浄後、1M酢酸/メタノールで抽出し、溶出液を窒素気流で乾固した。残渣をTMS化し、gas chromatography/mass spectrometry(GC/MS)により測定した。エピニンをラット脳内の線条体に投与し、NMSAL、NMNSALが検出された。NMNSALはNMSALの約10倍多く生成した。エピニンをin vitroでホルムアルデヒド、アセトアルデヒド溶液と非酵素的に反応させると、各々NMNSALとNMSALが生成したことから、NMNSALとNMSALの生成経路としてエピニンと生体内に存在するホルムアルデヒド、アセトアルデヒドとのPictet-Spengler縮合反応が考えられた。
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