研究課題/領域番号 |
05252210
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岸本 健雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00124222)
|
研究分担者 |
大隅 圭太 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20221822)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 核移行 / 細胞内局在 / 界面活性剤不溶性細胞骨格 / cdc2・サイクリンB複合体 / cdc25フォスファターゼ / M期 / ヒトデ卵 |
研究概要 |
サイクリンB・cdc2複合体(cycB・cdc2)は全真核細胞に共通のM期誘起蛋白質キナーゼである。ヒトデ未成熟卵ではこのcycB・cdc2は不活型前駆体として細胞質中に局在し、活性型への転換に際して核移行することを見出している。そこで本年度は、活性型への転換と核移行開始との関連を解析し、以下の成果を得た。 1.cycB・cdc2の活性化因子であるcdc25フォスファターゼのヒトデ・ホモログのcDNAをクロン化した。大腸菌で過剰発現させた蛋白質を抗原として抗cdc25抗体を得、抗体カラムを作製して、ヒトデ卵から活性型のcdc25フォスファターゼを精製した。 2.ヒトデ卵内におけるcycB・cdc2の存在様式を検討したところ、未成熟卵ではほとんどがdetergent不溶性画分に存在するのに対し、その活性化にともないかなりが可溶性画分に移ると判明した。 3.未成熟卵から不溶性画分を得、それに精製したcdc25フォスファターゼを作用させたところ、cycB・cdc2が可溶化されてくると判明した。 上述の結果から、cycB・cdc2の核移行開始にあたっては、まずこの複合体がcdc25フォスファターゼによって活性化される際にdetergent不溶性細胞骨格から解離し、それによって核移行が可能になると考えられる。このあと、cycB・cdc2は自分自身あるいは細胞質中の他の因子をリン酸化することによって核移行が実現すると予備的に判明しているので、現在、この点の分子的裏づけを得るべく解析中である。いずれにせよ、cycB・cdc2の上述した可溶化とこのキナーゼによるリン酸化の両方が、この複合体の核移行のタイミングをM期開始時特異的に規定しているといえる。
|