研究課題/領域番号 |
05252218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 忠直 京都大学, 理学部, 助教授 (90093187)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | エンドサイトーシス / 低密度リポタンパク質 / CHO細胞 / 変異株 / 細胞内選別機構 |
研究概要 |
エンドサイトーシスの分子機構を変異株を用いて研究するため、次の手順により低密度リポタンパク質(LDL)の細胞内輸送の変異株の分離を行った。変異剤、エチルメタンスルフォン酸で処理したCHO細胞を、コレステロール生合成経路の律速酵素(HMG-CoA)の阻害剤であるプラバスタチン存在のもと、ネガティブ選択法により単離し、LDL取り込みまたはその代謝に異常のある変異株を得た。さらに、これらの変異株のうち、LDLの取り込みは正常であるが、その分解が抑制された表現型を示す変異株を、オクタデシールロダミン(R18)とNBD-リノール酸エステル(NBD-Cl)を封入したLDLを用いて、次のような手順で単離した。NBD-ClとR18を封入したLDL内ではお互いの蛍光分子の間にエネルギー移動が生じるため、それぞれ単独にいる場合に比べてNBDの蛍光は小さく、R18の蛍光は大きい。しかし、LDLが分解されると、お互いの分子はばらばらになり、その結果、R18の蛍光は小さくなり、NBDの蛍光は大きくなる。LDLを分解できない細胞の場合には、分解できる野生株の場合に比べて、R18/NBDの蛍光比は大きくなる。このことを利用して、Flow CytometerによりLDLの取り込みは正常であるが、その分解が抑制された、変異細胞を分取し、安定な株細胞(T41)として確立することに成功した。次に、蛍光顕微鏡法、細胞分画法を用いて、このようにして得られた変異株T41の変異が起きている場所を特定した結果、1)ライソゾーム酵素のライソゾームへのsortingに異常が見られる。2)LDLがライソゾーム酵素のネガチブなコンパートメントに野生株に比べて多く蓄積される、などの結果を得た。これらのことよりT41では、エンドサイトーシス経路と、TGNからライソゾームへのsorting経路とが重なる点において変異が生じていることが示唆された。
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