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ゴルジ体内小胞輸送におけるホスホリパーゼA_2の役割

研究課題

研究課題/領域番号 05252221
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

多賀谷 光男  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30179569)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード小胞輸送 / ホスホリパーゼA_2 / 膜融合
研究概要

ゴルジ体内小胞輸送のアッセイ系を用いて100以上の化合物をスクリーニングしたところ、種々のホスホリパーゼA_2阻害剤が輸送反応を阻害することを見いだした。反応速度論的および電子顕微鏡を用いた解析結果から、阻害段階は輸送小胞の融合段階であることが示された。膜透過可能なホスホリパーゼA_2であるノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)を用いて細胞内の輸送への効果を調べたところ、この化合物は脳下垂体由来のGH_3細胞からのプロラクチンの分泌を阻害することがわかった。プロラクチンはトランス・ゴルジネットワークで濃縮されて分泌顆粒に取り込まれ、細胞膜へと輸送される。NDGAの添加によって分泌顆粒が細胞膜近傍に蓄積したことから、NDGAは分泌顆粒の生成や細胞膜への輸送過程は阻害せず、分泌顆粒の細胞膜との融合を特異的に阻害すると考えられた。さらに、詳しい細胞内輸送の解析を行うために、水泡性口内炎ウイルスの糖蛋白の輸送に対するNDGAの効果を調べた。その結果、NDGAは小胞体からゴルジ体への輸送も阻害することがわかった。近年、ゴルジ体から小胞体への逆行輸送経路が発見されたが、この輸送はブレフェルジンA(BFA)によって誘起される。BAFを添加すると30秒以内にゴルジ体のコート蛋白質が膜から遊離し、それに引き続いてゴルジ体から小胞内への輸送を媒介するチューブ状小胞が生成する。そして、30分後にはゴルジ体の蛋白質が全て小胞体へと輸送されてしまうため、このチューブ状小胞は消失する。BFAとNDGAを添加するとBFAのみの場合と同様に、コート蛋白質はゴルジ体から遊離し、チューブ状小胞は生成した。しかし、30分後もチューブ状小胞は消えず、チューブ状小胞と小胞体の融合が阻害されていると考えられた。生化学的解析からも、この結果と同様の結果が得られた。以上の結果は、NDGAが全ての順行輸送およびゴルジ体から小胞体への逆行輸送経路において小胞の融合を阻害することができるので輸送をブロックすることを示唆している。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 多賀谷 光男: "細胞内小胞輸送を司るN-エチルマレイミド感受性因子(NSF)の構造と機能" 生物物理. 34(印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] M.Tagayaほか: "Correlation between Phospholipase A_2 Activity and Intra-Golgi Protein Transport Reconstituted in a Cell-free System." FEBS Lett. 324. 201-204 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 吉森 保 ほか: "小胞輸送選別の分子機構:真核細胞の分泌経路" 蛋白質核酸酵素. 38. 927-938 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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