研究課題/領域番号 |
05252223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井出 千束 神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
藤本 悦子 神戸大学, 医学部, 助手 (00107947)
溝口 明 神戸大学, 医学部, 講師 (90181916)
三木 明徳 神戸大学, 医学部, 助教授 (20144561)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 再生軸索 / 成長円錐 / シナプス小胞膜蛋白質 / 低分子量GTP結合蛋白質 / Rab3A / Rabphilin-3A / シナプトフィシン / シンタキシン |
研究概要 |
成長円錐の伸長は、成長円錐内部に多数存在する小胞の表面膜への融合付加によってなされると推定される。この成長円錐における膜融合機構は殆ど不明であったが、最近シナプスにおけるシナプス小胞の前シナプス形質膜への膜融合制御機構は分子レベルで解析が進んでいる。すなわち、1)低分子量GTP結合蛋白質Rab3Aとその標的蛋白質Rabphilin-3Aがシナプス小胞を膜融合位置へ誘導する機構、2)N-エチルマレイミド感受性融合因子(NSF)がシナプス小胞膜蛋白質シナプトブレビンやシナプトタグミンと前シナプス形質膜蛋白質シンタキシンとの間を架橋し、融合装置を形成する機構、3)シナプス小胞膜蛋白質シナプトフィジンがオリゴマーを作り、前シナプス形質膜との間に融合孔を形成する機構の少なくとも3系統の分子機構の関与が明かになっている。そこで私共は、これらのシナプス膜融合機構に関与する蛋白質を成長円錐に検索したところ、Rab3Aとシナプトフィジンを成長円錐全体に、Rabphilin-3Aとシナプトタグミンを成長円錐遠位端に、シンタキシンを神経突起全体にそれぞれ認めた。このことから3系統の膜融合制御分子機構が成長円錐においても機能していることが示唆された。また、成長円錐表面膜においてシュワン細胞表面膜や基底膜との接底膜との接着に関与する細胞接着因子に関して、インテグリンα1,.β1とカドヘリンを表面膜に証明している。これらの解析から、再生軸索成長円錐の表面膜において、膜の融合付加や接着に関して特殊に分化した機能ドメインの存在が示唆された。このように、本研究は着実に進展しており、当初の目的は達成されたと考えられる。
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