研究課題/領域番号 |
05253208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
斎藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
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研究分担者 |
山本 晃士 名古屋大学, 医学部, 医員
恵美 宣彦 名古屋大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 血友病B / レトロウイルスベクター |
研究概要 |
第IX因子のcDNAをレトロウイルスベクターpLRNLに組み込んでpL9RNLを作製し、ヘルパー細胞GP+E86(ectropic)、PA317(amphotropic)に移入し、producer細胞GP+E86/L9RNL,PA317/L9RNLを樹立した。樹立されたproducer細胞の培養上清をラット208F細胞、およびマウスNIH3T3細胞に感染させ、2週間後のG418resistant colonyの数にてvirus titerを測定した。その結果GP+E86/L9RNL,PA317/L9RNLともに約10^3〜10^4/mlのtiterであった。またNIH3T3細胞、208F細胞において得られたコロニーはそのまま組み換え蛋白質産生細胞として用いた。以上3種類の細胞株各1×10^6個あたり24時間に産生される第IX因子量をEIAにて測定した(なお培養液中にVitaminKを500ng/mlの濃度で添加した)。その結果500ngから1.2μgの第IX因子が上清中に産生されていた。また、上清中の第IX因子活性を凝固一段法にて測定し、比活性で表した。いずれの細胞においても90%以上の比活性が得られ、細胞内における蛋白の翻訳後修飾は正常に行なわれていることが示唆された。培養上清を集めてWestern blottingを行なったところヒト血漿由来の第IX因子と同じ分子量約54,000のバンドを検出し、ほぼ正常な第IX因子が産生されていることがわかった。 遺伝子治療のターゲット細胞としては遺伝子産物の翻訳後修飾が正常に行なわれる細胞でなければならない。今回検討したマウス線維芽細胞は十分な量の第IX因子を産生し、比活性がほぼ100%であったこと、またバリウム吸着法にて沈殿した蛋白質が正常と等しい分子量を有していたことなどより翻訳後修飾はヒトの生理的条件に近く行なわれたものと考えられる。
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