研究課題/領域番号 |
05253219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
岡田 則子 福岡大学, 医学部, 助教授 (20160682)
東 隆親 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00028234)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
自己補体の自己細胞に対する障害反応を防ぐ役割を果たしている種特異的補体制御膜因子である20kDa homologous restriction factor(HRF20)の遺伝子の塩基に欠落を来している患者を発見した。この遺伝子の2本の内の一つ異常を来しているheterologous異常の両親から異常遺伝子を受け継ぎ、当該患者ではhomologous遺伝子異常となり、HRF20の産生ができなくなった患者であった。同様な遺伝子異常を持った患者の存在を想定して検討を行ったが、現在までのところ同様な塩基欠落を認める患者を発見できていない。当該患者の異常について病理組織学的検討を行ったところ、免疫組織染色法で正常組織では強く発現の認められる抹消神経のシュワン氏鞘にも全く発現が認められなかった。これに対し、正常組織のシュワン氏鞘ではほとんど発現の認められないdecay accelerating factor(DAF)が強く発現していた。DAFは補体活性化を制御する腫特異的補体制御膜因子であるが、HRF20を欠落した当該患者に於いては、補体反応を防ぐためにDAFが代償的に高発現になっていると考えられる。一方、HRF20の研究を展開する過程に於いて、その特徴を利用して遺伝子導入細胞の選択マーカーにHRF20の遺伝子を応用できることを明らかにする事ができた。すなわち、HRF20cDNAをトランスフェクトして細胞表面にHRF20を発現させるとヒト補体に対して抵抗性になるので、ヒト補体で処理することにより遺伝子導入した細胞のみを選択的に残して、遺伝子導入されなかった細胞を補体反応で傷害して取り除くことができることを立証できた。従来の薬剤耐性遺伝子を用いるよりも迅速に選別できるので、応用範囲の広い方法である。特に遺伝子治療を施工する時に有用に活用できる方法論が開発できたと考えている。
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