研究課題/領域番号 |
05256214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アテローム性動脈硬化 / コレステロール / 血管内皮細胞 / 平滑筋細胞 / マクロファージ / スカベンジャー受容体 |
研究概要 |
アテローム性動脈硬化の発症においてコレステロール沈着に重要な役割をはたすスカベンジャー機能がいかなる細胞によってになわれているかを検討するため、つぎのような研究をおこなった. 1.スカベンジャー受容体遺伝子の制御機構の解析 ヒトスカベンジャー受容体遺伝子のクローニングと構造決定をおこないこれが第8染色体にある11のエクソンからなるものであること、さらにそのプロモーター領域の構造をきめ転写開始点約200bp上流にマクロファージ特異の制御エレメントを確認した.またRNase protection assayによる受容体mRNAの高感度定量法を開発し、タイプ1トタイプ2がことなる発現制御をうけることがわかった. 2.血管内皮細胞、平滑筋細胞でのスカベンジャー受容体の発現の解析 in situ hybridizationによる血管病理標本でのスカベンジャー受容体mRNAの発現を検討し、これがマクロファージ系の細胞にのみ発現していることを確認した.一方同時におこなったLRP(LDL受容体関連蛋白)は正常平滑筋細胞でもまたマクロファージでも発現していること、一方LDL受容体は中膜平滑筋細胞に一部発現があるが、アテローム性動脈硬化病変部ではdown regulationされていることがわかった. 3.内皮細胞のスカベンジャー受容体機能 マクロファージ型のスカベンジャー受容体は存在しないにもかかわらず、血管内皮細胞は変性LDLをとりこむ能力を有する.この機能を解析するため、アセチルLDLをin vivoで静注したところ、培養動脈内皮とは異なり、動脈の内皮にはin vivoのとりこみはみられなかった.一方肝のシヌソイド内皮細胞はスカベンジャー機能をin vivoでも発現しており、これは免疫組織的検討から、マクロファージ型と極めて類似した分子によりになわれていることがわかった. 4.スカベンジャー受容体がマクロファージの接着因子であることの解明 マクロファージのEDTA抵抗性の接着を抑止する抗体2F8の抗原がスカベンジャー受容体であることがわかり、2F8の結合部位を検討するためミュータント受容体を作成した.2F8はリガンド結合部位であるコラーゲン領域を欠損する受容体にはほとんど結合しない.またスカベンジャー受容体による接着現象は血清依存であることからリガンド依存の接着機構が考えられた.
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