研究課題/領域番号 |
05256225
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
|
研究分担者 |
川畑 俊一郎 九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 血液凝固組織因子 / VII因子 / 外因系凝固反応 / VII因子-TF複合体 / 酵 母 / TF-リコンビナント / ウシ血液凝固因子 / セリンプロテアーゼチモーゲン |
研究概要 |
外傷などに伴って組織因子が血液中に露呈されると、この因子が血血漿中のVIIa因子と分子複合体を形成しつつ、外因系凝固反応を開始する。我々は両因子間の相互作用を分子レベルで明らかにする目的で、VIIa因子上の組織因子結合部位の解析を行ない、2つの組織因子結合部位を見い出した。また、酵母を用いた発現系により、ウシ可溶性リコンビナント組織因子(rsTF,TF1-213)の大量調整に成功した。今回、このrsTFを用い、組織因子側のVIIa因子結合部位の解析を行なった。まず、VIIa-rsTF複合体による合成基質(S-2288)水解系に、ペプチドクロロメチルケトン処理によって不活化したVIIa因子、Gla-domainlesVIIa因子(VIIa(GD-))及び前駆体型VII因子を加えて拮抗阻害実験を行なった結果、不活化VIIa因子とVIIa(GD-)が強い阻害(IC_<50>=70nM)を示したのに対し、前駆体型VII因子では殆ど阻害が見られなかった(IC_<50>>900nM)。従って、rsTFはVIIa因子上の2つの組織因子結合部位のうち活性型VIIa因子に特異的に発現しているひとつを認識することが示唆された。また、この性質を利用して不溶化rsTFカラムにより、前躯体型VII因子中のきょう雑VIIa因子を特異的に除去することに成功した。一方、rsTFを、穏和な条件下トリプシン処理すると、Arg129-Ala130間のペプチド結合が切断され、切断後も約60%の活性が残存していた。そこで、両断片の分別を試みたが、1-129と130-213の断片は5M尿素存在下、分別されたものの、コファクター活性とVIIa因子結合能は共に消失した。現在、化学修飾法などを用いてVIIa因子結合部位を解析しつつある。
|