研究課題/領域番号 |
05258201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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研究分担者 |
庄司 隆行 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (00241349)
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | レチノイン酸 / 神経分化 / コリンアセチルトランスフェラーゼ / 交感神経 / 神経栄養因子 / コリン作動性 / 転写促進 |
研究概要 |
先に我々は、レチノイン酸が各種神経系株化細胞にコリン作動性分化を誘導し、神経栄養因子としての作用を有することを報告した。今回は、よりin vivoに近い系として、ラット培養交感神経細胞に対するレチノイン酸の作用を検討した。コリン作動性分化の指標として、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)のmRNAの定量を行った。また、対照としてアドレナリン作動性の指標であるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)のmRNAの定量を行った。ChAT mRNAは、10^<-9>Mという低濃度のレチノイン酸でコントロールの約6倍に増加した。レチノイン酸の濃度を上げると、ChAT mRNAの量は濃度依存的にさらに上昇した。一方TH mRNAは、レチノイン酸の濃度の上昇とともに減少した。以上の結果より、本来アドレナリン作動性の交感神経細胞においても、レチノイン酸は、ChAT mRNAの発現を増大させ、TH mRNAを減少させた。このように、レチノイン酸はコリン作動性分化を誘導し、神経伝達物質選択に対し相互排他的にTH mRNAを減少させた。 交感神経細胞において発現するChAT mRNAの分子種を調べる目的で、R,M,Nタイプエクソンの塩基配列のそれぞれに特異的なプライマーを用いたRT-PCRを行った。コントロールの交感神経細胞においては、N2タイプのChAT mRNAの発現が見られた。10^<-8>Mレチノイン酸を作用させた交感神経細胞ではN2タイプに加えて、R2タイプ、MタイプのmRNAが発現していた(図3)。このことにより、レチノイン酸によりR2タイプ、MタイプのChAT mRNAの発現が誘導され、ChAT遺伝子のR,Mタイプエクソンの5'上流部にレチノイン酸による転写促進に関与する配列が存在することが示唆された。
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