研究課題/領域番号 |
05258218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
西村 いくこ 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (00241232)
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研究分担者 |
西村 幹夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 液胞 / プロテインボディ / アレルゲン / 液胞プロセシング酵素 / 種子タンパク質 / 2Sアルブミン / プロ型前駆体タンパク質 / ヒマ胚乳 |
研究概要 |
種子には大量に存在する貯蔵タンパク質以外にも、さまざまなアレルゲン、レクチン、トリプシンインヒビターなどの生理活性を持つタンパク質が含まれている。これらのタンパク質のほとんどは前駆体として合成されるが、この前駆体タンパク質は液胞にいて成熟型にプロセスされる。このプロセシングによりタンパク質は大きな構造変化、ひいては性質の変化をひき起こす。即ち液胞内プロセシングに関わる酵素は種子タンパク質の構造を決定する鍵酵素の一つといえる。本研究では食糧となる種子細胞内のプロセシングを制御することにより、その栄養価を落とすことなく、そこに含まれる有害タンパク質の無毒化を目指していきたいと考えている。 植物由来のアレルゲンの一つとして報告されているヒマ種子の2Sタンパク質と類似性のあるタンパク質は高等植物の種子に広く分布しているが、このタンパク質の登熟種子細胞中での生合成を調べた結果、主要な貯蔵タンパク質と同様の過程を経て合成輸送され、液胞内で成熟型に変換し蓄積されることが判明した。ヒマ種子より単離精製した液胞プロセシング酵素は様々な種子タンパク質のプロセシングに関わっていることが示された。即ち本酵素は多種類の種子タンパク質の最終的な構造を決定する鍵酵素とみなすことができる。この液胞プロセシング酵素に着目した分子育種を目指すために、本酵素のcDNAを単離し、その翻訳領域の構造解析を行った。その結果、液胞プロセシング酵素はcysteine Proteinaseであるが、既知のcysteine Proteinaseとは類似性を示さず、唯一住血吸虫Schistosoma mannsoniで報告されている推定上のProteinasesと33%の同一性を示した。また、この翻訳産物は55kDaで、N末端のシグナルペプチド、37kDa活性酵素領域、そしてC末端のプロ領域からなっている。前駆体はプロセシング活性を持たず、活性発現のためにはC末端プロ領域の除去が必要であることが判明した。
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