研究課題/領域番号 |
05259202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡本 宏 東北大学, 医学部, 教授 (60025632)
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研究分担者 |
那谷 耕司 東北大学, 医学部, 助手 (90202233)
高沢 伸 東北大学, 医学部, 講師 (50187944)
米倉 秀人 東北大学, 医学部, 講師 (80240373)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | cyclic ADP-ribose / second messenger / Ca^<2+> mobilization / pancreatic islet β-cells / insulin secretion / CD38 / ADP-ribosyl cyclase / cyclic ADP-ribose hydrolase |
研究概要 |
本研究の目的は、インスリン産生膵ランゲルハンス島β細胞の小胞体にATP依存性に蓄積されたCa^<2+>の放出機構を解明し、インスリン分泌という生理的に極めて重要な現象の中心問題を明かにすることである。膵ランゲルハンス島β細胞はグルコースに応答してインスリンを分泌して血液中のグルコース濃度を一定のレベルに保つ役割を果している。このグルコースに応答したインスリン分泌はATP依存性に蓄積された小胞体Ca^<2+>の放出が引金になるが、その機構は永らく不明であった。最近になり申請者らは膵ランゲルハンス島β細胞においてグルコースに応答してcyclic ADP-riboseという新しい環状物質がNADから作られ、このcyclic ADP-riboseがATP依存性に蓄積された小胞体Ca^<2+>放出のセカンドメッセンジャーであることを明らかにした。本研究では小胞体上に存在すると考えられるcyclic ADP-ribose受容体の実体を明かにし、cyclic ADP-riboseによるATP依存性に蓄積された小胞体Ca^<2+>放出のメカニズムを解明することである。 平成5年度の研究は、当初の計画に準じて進行し、以下のとうり期待された成果が得られた。 1.cADP-ribose合成酵素(ADP-ribosyl cyclase)をアメフラシ(Aplysia kurodai)卵精巣より遠心分画法、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどを用いて精製した。 2.1.で調製した酵素を放射性標識NADまたは非標識NADと反応させ、反応産物中のcyclic ADP-riboseを高速液体クロマトグラフィーで分離し、放射性標識cyclic ADP-ribose及び非標識cyclic ADP-riboseを調製した。 3.ラット膵ランゲルハンス島、小脳、肝臓などで2.で調製した放射性標識cyclic ADP-riboseと非標識cyclic ADP-riboseを用いた競合法で放射性標識cyclic ADP-riboseの結合を指標にcyclic ADP-ribose受容体の分離・精製を試みた。 4.3.の過程で新たにcADP-ribose分解活性を有する分子としてCD38を同定した。
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