研究課題/領域番号 |
05259213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高野 幹久 京都大学, 医学部, 講師 (20211336)
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研究分担者 |
平井 みどり 京都大学, 医学部, 助手 (70228766)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 腎尿細管 / 有機カチオン輸送系 / 刷子縁膜 / 側底膜 / アフリカツメガエル卵母細胞 / 発現クローニング / photoaffinity labeling |
研究概要 |
腎臓の近位尿細管上皮細胞には有機カチオン輸送系が存在し、カチオン性薬物を能動的に尿中へ排泄する。既に刷子縁膜(管腔側)、側底膜(血管側)小胞を用い、前者ではH^+/有機カチオン対向輸送系が、後者では膜電位依存性の輸送系が関与することが明らかにされている。しかしこれら輸送系の構造的側面に関しては全く不明である。本研究では、有機カチオン輸送体の遺伝子クローニングを目指し発現クローニング法による検討を進めるとともに、photoaffinity labelingの手法を用いて蛋白質側からも輸送体の同定を試みた。 1.アフリカツメガエル卵母細胞による有機カチオン輸送活性の発現 ラット腎皮質mRNAを卵母細胞に注入した場合、有機カチオン、テトラエチルアンモニウム(TEA)の輸送活性が発現する。そこで卵母細胞で発現しているTEA輸送系の特性について解折したところ、阻害剤に対する感受性、pHや膜電位の影響から判断して、側底膜の有機カチオン輸送系と推察された。 2.Photoaffinity labelingによるTEA輸送体の解析 photoaffinity labelingは、目的とする蛋白と特異的に相互作用するligandを光照射により不可逆的に結合させ、これをマーカーとして蛋白を同定、精製しようとするものである。そこで刷子縁膜のTEA輸送系に対し高い親和性を有するシメチジンを親化合物とし、アジド基を導入することでphotoaffinityプローブAMCを合成した。AMCはシメチジン同様刷子縁膜のTEA輸送を強く阻害した。このAMCを用いてUV照射により刷子縁膜蛋白のphotoaffinity labelingを行ったところ約36kDaの蛋白が標識され、この蛋白が刷子縁膜有機カチオン輸送体である可能性が示唆された。
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