研究課題/領域番号 |
05259228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
高月 昭 理化学研究所, 動物細胞システム研究室, 主任研究員 (80011972)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ATP分解酵素 / 阻害剤 / フォリマイシン / 糖蛋白質 / 細胞内転送 / ゴルジ器官 / 糖鎖プロセシング / バフィロマイシン |
研究概要 |
細胞内オルガネラの酸性化は液胞型H^+輸送性ATP分解酵素(V-ATPase)が担っている重要な細胞機能の一つである。蛋白質の多様な細胞内転送の過程にオルガネラの酸性化が機能していることが知られている。細胞内転送におけるV-ATPaseの機能を解析する一手段として選択的な阻害剤の利用が考えられ、簡便なV-ATPase阻害剤の探索系を確立した。いくつかの阻害剤を単離し、その中で、de novoに合成されたウイルス糖蛋白質の細胞表層出現を最も顕著に抑制するフォリマイシンの作用について解析を進めてきた。 フォリマイシン存在下にMan_8GlcNAc_2構造少糖鎖を有するウイルス糖蛋白質が蓄積する。Man_8GlcNAc_2→Man_5GlcNAc_2のプロセシングはマンノシダーゼIが司っているが、本酵素に対するフォリマイシンの阻害作用は認められず、また、pH5〜8の間で本酵素の活性に殆ど差が認められない。これらの結果は、プロセシングが進行する場への転送が阻害された結果であることを支持する。フォリマイシン存在下にウイルス糖蛋白質が蓄積する部位は小麦胚レクチンに親和性を示さないが、コンカナバリンAに親和性を示すオルガネラの一部を占めることは既に報告した。フォリマイシン処理後にブレフェルジンAで処理すると、punctateな構造から小胞体様へ変化することから、フォリマイシン存在下でも小胞体からの転送は進行することが示唆された。小胞体からゴルジへの転送の律速過程であるウイルス糖蛋白質オリゴマー形成に対する作用は認められなかった。
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