研究課題/領域番号 |
05260203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ジアシルグリセロールキナーゼ / 遺伝子クローニング / ラット / 脳 / in situ hybridization / ニューロン |
研究概要 |
プロテインキナーゼC(PKC)を活性化させるジアシルグリセロール(DG)はDGキナーゼ(DGK)によりリン酸化されてホスファチジン酸になる。したがってDGKはPKCの活性減弱化因子と考えられ、神経細胞内情報伝達に重要である。そこで本研究ではDGKのクローニングを試み、脳遺伝子発現局在を解析してDGKのシナプス伝達における役割を明らかにしようとした。先ずラット脳から80kDa-DGKのcDNAのクローニングに成功しα型と名づけた。734のアミノ酸からなり、zinc-finger様配列、E-F handモチーフとATP結合部をもっていた。この遺伝子発現は脳白質に限局し、免疫組織学的解析を併用して結果、このDGKはオリゴデンドロサイトに局することが判明し、髄鞘形成維持に重要であることが強く示唆された。脳以外ではthymus髄質とspleenの白ひ髄動脈周囲のいずれもT-cell依存領域に強く発現していた。つぎに、ニューロンに特異的発現をするアイソザイムを脳からクローニングすることを試みた。その結果β型と名づける801アミノ酸からなる90kDaのものが得られた。α型とはアミノ酸で58%の相性を示し、zinc-finger様配列、E-F handモチーフとATP結合部位は 型と同じく保存されていた。この遺伝子発現は線状体、側坐核と嗅結節のニューロンに強く検出された。さらにCOS細胞に発現して酵素活性を調べた結果、長鎖脂肪酸を特に強くリン酸化し、膜分画に存在ることが判明した。DGを産生するホスフォリパーゼC(PLC)とPKCのアイソザイムの脳内遺伝子発現パターンと比較すると、このDGKの発現はPLC-β型とPKC-β型のそれと類似するのでそれらと密接に関連して作用することが示唆された。このβ型とは異なるcDNAも既に得られているので、現在そのcDNAの解析を遂行中である。このように複数のアイソザイムがそれぞれ発現部位を変えているということは、このDGKの機能的分子多様性と重要性を示唆してい
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