研究課題/領域番号 |
05260204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小宮 義璋 群馬大学, 医学部, 教授 (50010046)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 成長円錐 / シナプス前終末 / ガングリオシド / 成長円錐の退縮 / セロトニン / G蛋白 |
研究概要 |
神経成長円錐のシナプス前終末への変化に至る過程を、(1)単離成長円錐を用いた系、(2)培養神経細胞を用いた系でそれぞれ解析した。 a.単離成長円錐膜のガングリオシド組成に関する研究 細胞分画法によって採取された単離成長円錐を用いて、そのガングリオシド組成を調べたところ、ガングリオシド含量は発生に伴ってしだいに増加した。生後5日目ラット前脳由来の成長円錐膜では、成熟大脳シナプス膜のガングリオシド量の70%程度であった。ガングリオシド組成では、最も幼若型の0-アセチルGD3が、急激に減少した。経時的な変化では、単純系列の減少は核画分に比較すると成長円錐において、より頚著であった。一方、b系列のガングリオシドではその反対の傾向がみられた。よって、ガングリオシド含量、ガンングリオシド組成の変化が成長円錐からシナプス前終末への変化を表す指標となる可能性が、今回の結果から明らかになった(Igarashi et al.:Dev.Brain Res.,印刷中)。 b.培養神経の成長円錐退縮に関する研究 成長円錐が成熟してシナプス前終末に変化する過程では、何らかの抑制性信号が作用して成長円錐の運動性が失われると考えられる。このような抑制因子は培養条件下で成長円錐の退縮(成長円錐の面積が縮小して、糸状足が失われた状態)を惹起する。鶏胚後根神経節を培養して伝達物質の一種セロトニンを成長円錐に投与したところ、成長円錐の退縮が見られた。この効果は、セロトニン受容体阻害剤(5-HT_2 アンタゴニスト)のリタンセリンによって完全に消失した外、G蛋白阻害剤の百日咳毒素によっても阻害された。またG蛋白活性化能を有するGAP-43のN末端ペプチドはセロトニンの効果を促進した。次年度はさらにその作用機序を深く解析する予定である。
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