研究課題/領域番号 |
05260205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 嗣郎 東京大学, 工学部, 教授 (90011105)
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研究分担者 |
北森 武彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60214821)
大久保 明 東京大学, 農学部, 助教授 (20111479)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 情報伝達物質 / アラキドン酸 / プロスタグランジン類 / 高感度同時分析 / 前処理法 / 血液 / レーザー蛍光法 / 液体クロマトグラフ |
研究概要 |
シナプスにおける情報伝達物質としてアラキドン酸とその代謝物が想定されている。そこで、シナプスのような微小で、しかも微量にしか得られないサンプルで超微量のアラキドン酸とその代謝物を分析する必要がある。しかし、夾雑物の多い実際の生体試料中でfmol(10^<-15>mol)領域の超微量物質を分析することは、これまで事実上不可能であった。そこで、本研究では、HPLC/LIFによりこれらの物質群を高感度にしかも多種類同時に分析し、前述の神経伝達物質の存在と放出を分析化学的に確かめることを研究の目的とする。昨年度までに、エキシマレーザーを励起光源、ADAM試薬(9-Anthryldiazomethane)を蛍光誘導体化試薬とするHPLC/LIF分析法を開発し、標準試料ではサブ-fmolレベルのプロスタグランジン類の高感度同時分析を実現した。本年度は、微小且つ微量しか得られない生体試料中でこれらの物質群の検索に適応できる前処理法を開発した。具体的な成果は以下の通りである。 【1】実際の微量生体試料に本法を適用するために、分析手順を全面的に見直した。特に、ADAM試薬の不安定性が超微小量の分析に多大な影響を及ぼすため、試薬精製、反応条件等を、高感度なLIFに適用可能な条件に改善した。具体的には、ADAMの極性とジアゾ基の反応性を考慮して、水-エタノール-ペンタン三相系溶媒抽出法の開発、エタノール中での誘導体化(エステル化)、微量(2%)エタノール添加のペンタン-クロロホルム混合溶媒による夾雑物質除去等を開発した。以上の結果、プラスマに50pgのプロスタグランジンF1αを添加した試料で良好なクロマトグラムを得ることができた。プラスマ中の検出限界は10pg/mlであった。 【2】開発した分析手順を臨床試料に応用した。プロスタグランジンE1誘導体を投与後、血中のプロスタグランジンE1濃度を本法によりモニターした。1ng/ml前後の変化を明瞭に追跡でき、本法が実際の生体試料中の超微量分析にも適用できることを確認した。実際の生体試料、特に夾雑物の多い血液でサブ-ng/mlレベルの分析を実証した例は本例が最初と考える。
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