研究課題/領域番号 |
05260206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
立花 政夫 東京大学, 文学部, 教授 (60132734)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シナプス / カルシウムイオン / カルシウム電流 / 網膜 / カルシウムポンプ / ナトリウム-カルシウム交換機構 |
研究概要 |
1.キンギョ網膜から単離したON型双極細胞をfura-2を含むパッチ電極で膜電位固定し、Ca電流を記録すると同時に、シナプス前終末部における細胞内遊離Caイオン濃度を測定した。 2.脱分極パルスによってCa電流が活性化されると、終末部においてCaトランジェントが発生した。Caイオンの流入量とCaトランジェントのピーク値との関係は、上に凸の飽和型単調増加関数となった。 3.細胞外液のNaイオンを除去することによりNa/Ca交換機構を阻害すると、Caトランジェントの回復相が顕著に遅くなった。しかし、Caトランジェントのピーク値は変化しなかった。 4.細胞外液のpHを上げることによって形質膜のCaポンプを抑制すると、基底レベルのCaイオン濃度が僅かに上昇した。脱分極パルスによってCa電流が活性化されると、Caトランジェントのピーク値は変化しなかったが回復相が遅くなった。 5.細胞外液のCaイオン濃度を低くしてCaイオンの流入速度を小さくしたが、Caイオンの流入量とCaトランジェントのピーク値との関係は変化しなかった。したがって、細胞内のCa貯蔵部位へのCaイオンの取り込みは、Caトランジェントの発生に関わっていないことが示唆された。 6.caffeineやryanodineを投与しても細胞内遊離Caイオン濃度は影響を受けなかった。 7.以上の結果から、ON型双極細胞の終末部におけるCaトランジェントのピーク値はCa緩衝物質によって規定されており、Caトランジェントの回復相はCaポンプとNa/Ca交換機構によるCaイオンの排出過程を反映していると結論した。細胞内Ca貯蔵部位の関与は示唆されなかった。
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