研究課題/領域番号 |
05261204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
久永 眞市 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (20181092)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 老人性痴呆症 / PHF / タウ / cdc2キナーゼ / リン酸化 / ニューロフィラメント |
研究概要 |
Neurofilament-Hサブユニット(NF-H)のリン酸化部位を認識する抗体はPHFタウとも反応することから、NF-HとPHF-tauは同一キナーゼによってリン酸化されていると考えられる。NF-Hをリン酸化するキナーゼを同定、精製し、その性質を調べることにより、PHF形成の仕組みを明らかにすることができるのではないかと考えた。 脱リン酸化型NFを基質に用いることにより、NF-Hキナーゼの特異的なアッセイ法が確立できた。この方法を用いてブタ脳抽出液中に存在するNF-Hキナーゼ活性を調べたところ、そのほとんどは微小管分画に回収された。NF-Hキナーゼを微小管分画から各種カラムを用いて精製した。精製NF-Hキナーゼは脳cdc2様キナーゼであるcdk5と同一であることが、cdk5に対する抗体を用いたブロッティングにより示された。NF-HキナーゼはNF-Hのin vivoのリン酸化部位をリン酸化していた。NF-Hキナーゼは正常脳内でtauを最もよくリン酸化しているキナーゼの一つであることが、NF-Hの特異的阻害剤であるbutyrolactone Iを用いた実験より示された。 今後は、本キナーゼとPHF形成との関連をより直接的に示すため、神経の分化、老化に伴うキナーゼの発現と活性制御をcDNAや抗体を用いて調べるとともに、リン酸化tauによるPHF形成のin vitro実験系の確立を目指していく予定である。
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