研究課題/領域番号 |
05261218
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
大平 敦彦 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 部長 (20101074)
|
研究分担者 |
松井 ふみ子 愛知県コロニー, 発達障害研究所, 助手
渡辺 英治 愛知県コロニー, 発達障害研究所, 研究員 (30250252)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | アルツハイマー病 / プロテオグリカン / アミロイド前駆体蛋白 / 老化 / 脳 / グリア細胞 / モノクローナル抗体 / コンドロイチン硫酸 |
研究概要 |
1.幼若ラット脳におけるプロテオグリカン型アミロイド前駆体蛋白の検出 老人斑の主成分であるアミロイドbeta蛋白の前駆体(APP)は、正常脳にも存在することが知られており、その詳細な構造や正常脳における機能についても興味が持たれている。私達は、生後10日のラット脳から得られる可溶性プロテオグリカン画分中に、抗APP抗体を用いたウェスタンブロットにより、150kDa前後の巾広いバンドを与える物質を検出した。この分子は、コンドロイチナーゼ消化により105kDaの単一バンドに変化したことから、コンドロイチン硫酸を結合したAPPであることが分かった。このようなプロテオグリカン型APPは、ラット胎仔脳より調製した初代培養グリア細胞の培養液にも検出されたが、神経細胞の培養液には検出できなかった。以上の結果は、分化途上の脳には、おもにグリア細胞が分泌したプロテオグリカン型APPが存在し、脳の発達に何らかの役割を果たしていることを示唆している。 2.モノクローナル抗体を用いた脳特異プロテオグリカンの同定 私達は、ラット脳由来のプロテオグリカンを免疫原としてモノクローナル抗体を作製することにより、これまでに、3種類の新奇な可溶性プロテオグリカンを発見した。本年度は、脳の膜結合性プロテオグリカンを認識するモノクローナル抗体の作製を試みた。その結果、140kDaのコア糖蛋白を持つヘパラン硫酸プロテオグリカンを認識する抗体、および125kDaのコア糖蛋白を持つコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを認識する抗体を得た。免疫組織化学により、前者(growthcanと仮称)は、伸長しつつある神経突起に発現していることがわかった。一方、前者(neuroglycan-C)は、神経回路網形成期の脳における神経細胞の細胞体周囲に発現していることが明らかとなった。この2つのモノクローナル抗体は、ラット以外の動物種には反応しないこともわかった。
|