研究課題/領域番号 |
05262212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
東 隆親 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00028234)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
HIV(HTLV-IIIB)を持続感染した培養細胞株(HIV-CEM)を未感染細胞株であるCEMに添加すると1週間以内にほとんどの細胞に感染が起こり、gp120に対するモノクローナル抗体である0.5betaで免疫染色されるようになる。ここに、0.5betaのFab'とCD3に対するモノクローナル抗体であるUCHT-1のFab'とを人工的に会合させたbifunctional antibody(BFA)を反応させた末梢血リンパ球を添加した。このBFAを反応させたリンパ球にはBFAのanti-CD3部分がTリンパ球のT細胞レセプター(TCR)に反応し、その結果BFAのanti-gp120をTCRに賦与した形になる。すなわち、TCRに本来の標的結合部位の他にgp120に対するレセプターを人工的に持たせることになる。このようなBFA処理リンパ球を添加することによりHIVの試験管内での感染を防ぐことが出来た。感染の広がりを防ぐだけでなく、gp120を細胞表面に持っている感染細胞を全て排除できることもわかった。しかし、gp120を細胞表面に発現していない感染細胞を排除することは出来なかった。gp120を発現していない感染細胞は休眠状態の感染細胞とみなすことが出来るので、BFAは患者の体内から少なくとも活動型の感染細胞を除去する方法として臨床応用が可能であると期待できた。そこで、HIV感染患者の末梢血からHIVを分離し、そのウイルスをPHAでブラスト化した末梢血リンパ球や培養株化したTリンパ球に感染させ、それらの感染細胞膜上に出現するウイルス抗原に対する反応性を持ったモノクローナル抗体の探索を行った。反応性が認められたモノクローナル抗体のFab'とUCHT-1のFab'とでBFAを作成した。このBFAで処理した末梢血リンパ球を^<51>Crで標識した患者HIV感染リンパブラスト細胞に作用させると細胞障害作用を認めることができた。細胞障害効率のより高い条件を見つけ臨床応用への可能性を探っている。
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