研究課題/領域番号 |
05263208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古市 貞一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50219094)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | IP_3受容体 / 細胞内カルシウム / cGMP / シグナル伝達 / 光情報伝達 |
研究概要 |
昆虫をはじめとする無脊椎動物の光受容細胞では、光を吸収して活性化したロドプシンがGTP結合蛋白質(G蛋白質)を活性化する。次いで活性化されたG蛋白質がホスホリパーゼC(PLC)を活性化する。活性型PLCはホスファチジルイノシトール2リン酸(PIP2)の水解を誘導し、セカンドメッセンジャーであるイノシトール3リン酸(IP_3)が産生される。IP_3は細胞内Ca^<2+>ストアからCa^<2+>の放出を誘発することで、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が生じる。このCa^<2+>シグナル伝達に関わるのがIP_3受容体/Ca^<2+>放出チャネルで、我々は先にこのcDNAのクローニングに成功しその全一次構造を決定するとともに、IP_3受容体mRNAの発現部位・時期を明らかとした。 1.IP_3/Ca^<2+>シグナル伝達の下流に位置する機構について解析した。最近カブトガニで光受容細胞の光応答時にcGMPで開孔するチャネルの存在が示唆された。そこで我々は、IP_3/Ca^<2+>シグナルでguanylyl cyclase(cGMP合成酵素)が活性化され、細胞内cGMP濃度を上昇させるカスケードが働き、それがcGMP開孔性イオンチャネルの活性化につながるのではないかと考えた。我々は、ショウジョウバエよりguanylyl cyclase(dgc1)のcDNAをクローニングし、その全一次構造を決定した。dgc1は成虫頭部に発現し、複眼欠損変異体(eya/eya)では著減していた。抗体を用いた免疫組織化学では、dgc1蛋白質は視葉の特に第一次視神経節細胞体の細胞質、軸索、及び第二次神経節の二層にわたって存在した。今後はこのIP_3/Ca^<2+>/cGMPシグナル伝達カスケードの機構を詳細に調べる。 2.多彩な生理機能に関与しているIP_3/Ca^<2+>シグナル伝達は、組織・細胞種によって多様性があると考えられている。この多様性はIP_3受容体自体が遺伝子ファミリーをなしていることからも示唆されてきた。我々はヒトから新たに2種類のタイプのIP_3受容体cDNAをクローニングし、その解析も行った。現在これを基に、ショウジョウバエでも新タイプIP_3受容体の検索中である。 3.解析が進んでいるマウスIP_3受容体の構造機能解析をすすめ、Ca^<2+>ストア膜上での膜貫通様式(チャネル構造)と糖鎖結合部位・カルモジュリン結合部位の同定をした。
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