研究課題/領域番号 |
05263214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
川市 正史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00195041)
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研究分担者 |
鍔田 武志 京都大学, 医学部, 助教授 (80197756)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / RBP-J_K遺伝子 / 認識DNA配列 / 末梢神経系発生 / Enhancer of Split / Neurogenic Genes / 転写調節 / DNA結合ドメイン |
研究概要 |
ショウジョウバエのRBP-J_K遺伝子は、末梢神経系の発生にかかわるSuppressor of Hairlessと同一である。RBP-J_K遺伝子の作用機序を解明するため、RBP-J_K遺伝子のDNA結合の特異性を検討した。精製蛋白質が利用できるマウスのRBP-J_K蛋白質をもちいて、ランダム配列オリゴマーの中からRBP-J_K蛋白質に結合するオリゴマーを濃縮し塩基配列を決定した。この結果、マウスのRBP-J_K蛋白質はCGTGGGAAをコアとする配列を認識することが明らかになった。ショウジョウバエのneurogenic geneの一つであるEnhancer of Split遺伝子群のm8遺伝子の発現調節領域内にRBP-J_Kの認識配列が存在していた。ショウジョウバエのRBP-J_K蛋白質はm8の認識配列に強く結合した。m8は、遺伝学的解析からSuppressor of Hairlessに良って調節されている可能性の高い遺伝子であり、RBP-J_Kの標的遺伝子である可能性が高い。種々の部位のアミノ酸の置換や欠失、挿入を導入したマウスRBP-J_K蛋白質をCOS細胞で発現させ、DNA結合能を測定したところ、インテグラーゼモチーフ(230H-269H)の直前の212Kから228Yの領域と後ろの291Rから295Qの領域の変異でDNA結合能が低下した。この領域は、ショウジョウバエ、マウス、ヒトで特に高度に保存された領域でありDNA結合ドメインを構成していることが示唆された。ショウジョウバエのloss of function変異であるHG36の蛋白質はインテグラーゼモチーフ内部に点突然変異を持ち、DNA結合能は正常である。このことは、インテグラーゼモチーフが何らかの生理活性を持つことを示している。m8プロモーターをルシフェラーゼ遺伝子とつなぎ、培養細胞にRBP-J_K遺伝子と共に導入するとルシフェラーゼ活性が上昇した。おそらく、RBP-J_K蛋白質は転写因子として機能し、m8遺伝子や他のneurogenic geneの活性を調節しているものと考えられる。
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