研究課題/領域番号 |
05263215
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉野 明雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90231737)
|
研究分担者 |
川崎 泰生 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30243257)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | Drosophila melanogaster / DNAポリメラーゼε / 染色体DNA複製 / DNA polymerase II / 遺伝子発現 / クローニング / 塩基配列 / Saccharomyces cerevisiae |
研究概要 |
本研究では、遺伝学が進んでいるショウジョウバエDrosophila melanogasterを用い、DNAポリメラーゼεが高等動物細胞や酵母と同様に存在することを証明し、このポリメラーゼの細胞内での役割を分子遺伝学的に明らかにする。本年度は昨年度の研究でクローニングしたD.melanogaster DNAポリメラーゼεをコードするcDNAの全塩基配列を決定した。またこのcDNAを使って染色体DNAの単離を行った。塩基配列より予想されるDNAポリメラーゼεのアミノ酸配列はSaccharomyces cerevisiaeのDNAポリメラーゼIIの遺伝子(POL2)産物のアミノ酸配列と比較するとN端側半分の所(一般にDNAポリメラーゼドメインと呼ばれている所)で約60%の相同性を示した。しかしC端側約半分のところでは約30%の相同性しか示さなかった。一方、単離した完全長のcDNAを出芽酵母S.cerevisiaeのpo12-9またはpo12-18温度感受性変異株に導入したが酵母のDNAポリメラーゼIIの機能を相補できなかった。このことは、分裂酵母のDNAポリメラーゼII遺伝子でさえ出芽酵母のDNAポリメラーゼIIの機能を相補できなかったことからも、DNAポリメラーゼドメインの相同性が非常に高いだけでは十分ではなく、DNAポリメラーゼIIのC端側半分が恐らく他の蛋白因子と相互作用し、DNA複製に重要な働きをしていることを示すものと考えられる。従って現在は、N-端側半分のD.melanogaster遺伝子とC-端側半分のS.cerevisiae遺伝子からなるchimera遺伝子を作製し、S.cerevisiae po12変異株を相補できるか検討中である。
|