研究課題/領域番号 |
05263217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷村 禎一 九州大学, 教養部, 助教授 (20142010)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / トランスダクション / 味覚 / 視覚 / IP3 / 突然変異体 |
研究概要 |
ショウジョウバエの唇弁化学感覚子の味覚受容には、少なくとも3種の受容部位(F、G、T、サイト)が存在していることが明らかになっている。昨年度行ったnorpA視覚突然変異体の研究から、T、Gサイトを介したトランスダクションには、セカンドメッセンジャーとしてイノシトール3燐酸(IP3)が関与していると考えられている。今年度は、norpA以外の他の視覚受容に関わる突然変異体の味覚異常を調べたが、いまのところ著しい味覚異常を示す系統は見つかっていない。これと平行して、味覚受容トランスダクションに関わる新たな遺伝子を同定するために、エンハンサートラップ法の系統を用いたスクリーニングによって糖受容突然変異体を分離を試みた。X染色体上に4個のP[lacW]ベクターが挿入された系統を用いて、トランスポゼースの供給によりP[lacW]がX染色体上の新たな場所に挿入されたハエを、赤-青の食用色素を用いた2者選択摂食テストにより調べた。テストはトレハロース-ショ糖間で行い、トレハロースに対する選択性が低下した個体をスクリーニングした結果、3系統の突然変異体系統が分離された。唾腺染色体のin situ hybridizationにより、これらの系統では、それぞれX染色体の異なる位置に単一のP[lacW]が挿入されていることを確認した。P[lacW]の再転移により味覚選択性が復帰した系統が得られたことから、味覚異常はP因子の挿入によると考えられる。P因子の挿入は、トレハロース味覚感度を支配するTre遺伝子の座位とは異なることから、トレハロース味覚受容に関わる新規の遺伝子であると考えられる。現在、突然変異体において実際にトレハロース味覚感度が変化していることを、唇弁感覚子からの神経応答の記録によって調べている。また、欠失染色体による細胞学的マッピング、味覚感度に対する遺伝子量効果を調べる実験を行っている。
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