研究課題/領域番号 |
05264201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
榎並 正芳 金沢大学, 医学部, 助教授 (30168794)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 複製 / 翻訳 / NS1蛋白 / M1蛋白 |
研究概要 |
インフルエンザウイルスA型のM1蛋白温度感受性変異株ts-51感染細胞内で、ウイルスゲノムRNAの挙動をin situハイブリダイゼーション法を用いて解析した。さらに、蛍光抗体法によりM1蛋白の挙動を解析した。その結果、感染後期に合成されるM1蛋白が核内に存在するRNP複合体(リボ核蛋白複合体)と複合体を形成し、この複合体が細胞質へ移行し、ウイルス粒子へ取り込まれると考えた。 ウイルス成熟課程で重要な機能を担い、感染後期に最も良く発現されるM1蛋白の発現制御について解析した。その結果、M1蛋白の発現はNS1蛋白及びM1蛋白により翻訳段階で促進されること、及び、翻訳開始部位上流のRNA配列がこの促進に関与することを明らかにした。次に、インフルエンザウイルスの他の分節からの発現に及ぼすNS1蛋白の影響を調べ、その特異性について解析した。その結果,NS1蛋白はNA、NP蛋白の発現を促進するが、PB1蛋白の発現には、影響しない事を明らかにした。 核から細胞質に移行したM1蛋白-RNP複合体がウイルス粒子に取り込まれる機構を知るため、ウイルス膜蛋白の一つNA(ノイラミニダーゼ)のインフルエンザウイルスA型亜型間で良くアミノ酸配列が保存されている細胞質ドメイン、及び膜貫通ドメインに種々の変異を導入しウイルス粒子形成とウイルスの増殖に与える影響を調べ、その機能を解析した。その結果、インフルエンザウイルスA型では、NA蛋白の細胞質ドメイン6残基と続く膜貫通ドメイン6残基は共に感染症ウイルス粒子形成にとって重要であることが明らかとなった。
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