研究課題/領域番号 |
05265205
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八代 盛夫 東京大学, 工学部, 講師 (30192785)
|
研究分担者 |
小宮山 真 東京大学, 工学部, 教授 (50133096)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | tRNA / ランタニド錯体 / 大環状シッフ塩基配位子 / 高次構造 / 錯体成定数 / 高次構造特異的切断 / 人工酵素 / マグネシウムイオン |
研究概要 |
大環状シッフ塩基配位子を有するランタニド錯体を合成し、tRNA^<Phe>の切断を試みた。 いずれの場合にも、きわめて高い活性でRNAを加水分解により切断することができた。さらに、極めて興味深いことに、有機配位子を付与し錯体とすることにより、イオンの場合に比べて、明らかに切断部位の選択性が向上することを見いだした。 さらに、tRNAの高次構造を保持するのに必須であるマグネシウムイオンを除いた条件下で切断反応を行なったところ、切断部位の選択性の低下が認められた。従って、ランタニド錯体による切断の選択性には、tRNAの高次構造が深く関わっており、立体的に嵩高い配位子がtRNAの高次構造を認識して切断しているものと考えられる。 また、核酸とランタニド錯体の相互作用に関する基礎的な知見を得るために、ジヌクレオチドとランタニドイオンおよび錯体の錯形成能を^1H NMRシグナルのシフトより求めた。その結果、ランタニドイオンに比べてランタニド錯体が約10倍大きな錯形成定数を有することが判明した。従って、有機配位子により錯形成能をも制御しうることが明かとなった。 以上の結果は、有機配位子の分子設計が、切断位置の制御および活性の発現にきわめて有効であることを示している。これらの知見をふまえ、現在、さらに有用な切断活性をしめす金属錯体の分子設計を進めている。また、相補的な塩基配列のDNAを切断活性部位(ランタニド錯体、もしくはオリゴアミン)とハイブリッドさせることにより、任意の位置でRNAを切断しうる人工酵素の分子設計も試みている。
|