研究課題/領域番号 |
05266212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
柴田 均 島根大学, 農学部, 教授 (40032601)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 近紫外線 / 酸化ストレス / GroEL / シャペロニン / 近紫外線増感化合物 / ラン藻 |
研究概要 |
ラン藻Synechococcus PCC7942に近紫外線照射することで数種のUV-ショックタンパクと名づけたタンパク質が合成される。近紫外線が及ぼす効果を回避させるために新しい代謝系が発現したと考えられる。UX-ショックタンパクのうちで、最も顕著に発現するものは、シャペロニンと総称されるタンパク質のリフォルディングに関与するGroELであることをN-末端アミノ酸分析により明らかにした。GroELタンパク質の発現については特異抗体を用いた実験、GroELの転写レベルはノーザン分析することで解析した。mRNA発現量はすでにクローニングしてあったSynechococcus PCC7942の全長geneをプローブとして、デンシトメトリーによって定量した。GroEL翻訳に対する最適近紫外線エネルギー量は200マイクロワットであり、45分の照射で最大に達した。mRNAは極めて短時間の近紫外線照射によって発現した。すなわち、200マイクロワットで、5分間の照射で最大に達した。GroELの転写、翻訳ともに過酸化水素処理した場合と非常によく似た結果を与えた。またこのラン藻には近紫外域に吸収極大を示し、近紫外線照射下で活性酸素を生成する化合物が存在する。本年度設備備品費で購入したマルチソルベント送液システムを装備したHPLCでこの化合物を単一標品にまで精製しその性質を検証した。活性酸素生成物質は325nmに吸収極大を示し、分子量は164と決定された。ジアセチルヘム置換したペルオキシダーゼを用いた分光分析の結果、この化合物への近紫外線照射によって、O_2^-とH_2O_2が1:4の比率で生成することを確認した。これらの結果近紫外線照射によって内在性の増感化合物が励起されて、活性酸素が生成し、この結果生じた酸化ストレスを回避するために、GroELが生成すると結論された。
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