我々が試作した近赤外酸素モニターを多チャンネル化、高感度化しCT法により人頭部での血流量と酸素化へモグロビンの測定を種々の刺激条件下及びMental taskのもとで行なう。この時、脳局所血流量変動を1秒以下の高速の時間分解能で行ないたい。このため、装置の改良を以下のように行った。 (1)近赤外の受光・送光プローブの小型化による部位別な血流速度の検出を行なう。特に音や光刺激による一次視覚野及び聴覚野の変動を検出した。 (2)近赤外計測システムを多チャンネル化し、脳局所の血流変動を種々の負荷のもとで同時に追跡した。 (3)脳波、ドップラー血流計等と同時計測を行ない、脳活動に伴う血流変動を他の結果と比較検討した。 これにより、新しい光学的脳機能計測技術-近赤外イメージング技術-を人脳に応用し、種々の負荷時(思考、光や音刺激、運動刺激)における脳局所の血流変化及び酸素濃度変化を多チャンネルで外部より同時計測を行ない、高次精神活動を空間的・時間的に解析することができた。ここでは近赤外光の持つ高い生体透過性を利用することにより、従来の光学技術を用いた脳機能計測では不可能だった人頭部での光学的機能マッピングを高時間分解能で行なえる道を拓いた。
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