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海馬錐体細胞の長期増強現象(LTP)にともなうカルシウム変動の観察

研究課題

研究課題/領域番号 05267208
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関山形大学

研究代表者

加藤 宏司  山形大学, 医学部, 教授 (30006746)

研究分担者 宮川 博義  山形大学, 医学部, 助手 (90166124)
伊藤 憲一  山形大学, 医学部, 助手 (40124408)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードhippocampal slices / long-term potentiation / APV / ω-agatoxin / pyramidal neuron / voltage-gated Ca channel / NMDA receptor / fura-2
研究概要

海馬の長期増強現象の誘導に必要とされている細胞内へのカルシウムイオンの流入は、どのような経路を介して起こるのであろうか。これまでは、グルタミン酸受容体のサブタイプの一つであるNMDA受容体からの流入がほとんどであると考えられていたが、本研究の結果によればNMDA受容体からよりも、むしろ電位依存性のカルシウムチャネルからの流入が主であるという結論を得た。細胞内カルシウムは、カルシウム蛍光指示薬をCA1錐体細胞に注入し、紫外光で励起して得られる蛍光を冷却型CCDカメラで経時的に測定する。CA1の神経細胞に高頻度のシナプス入力を加えると活動電位が発生し、それに伴い細胞内のカルシウムが増大する。これをコントロールとして、NMDA受容体の拮抗薬であるAPVを投与しても高頻度によるカルシウム増大反応にほとんど変化は見られないが、電位依存性カルシウムチャネルブロッカーであるω-アガトキシン(P型チャネルブロッカー)の潅流により、細胞体、遠位樹状突起および基底樹状突起でコントロール群と比較し、それぞれ40±18%、34±9%、38±17%(n=6)の減少がみられた。
さらに、これらの薬物が高頻度刺激による長期増強現象の誘導にどのように関るかを細胞外電位記録を用いて調べた。NMDA受容体の拮抗薬であるAPVでは、完全に長期増強の誘導を阻止し、Herron等(1986)の報告とよく一致する。コントロール群での長期増強は、93±12%(n=8)であるのに対し、ω-アガトキシンでは31±14%(n=8)と有意な抑制効果が観察された。ω-アガトキシンは、低頻度のシナプス入力に何等影響を与えないことから、APV感受性の長期増強の形成に、電位依存性カルシウムチャネルが関与していると結論した。そして、長期増強形成に必要である細胞内カルシウム増大は、主にP型の電位依存性カルシウムチャネルからの流入であろうと推測した。しかし、電位依存性のカルシウムチャネルには、P型以外にL,T,N型の3つがあり、長期増強との関連について現在研究を進めている。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 伊藤 憲一: "モルモット海馬ニューロンの細胞内カルシウム[Ca^<2+>]iの動態" 神経精神薬理. 15. 15-25 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 宮川 博義: "細胞内イオン濃度と膜電位の同時測定による中枢単ーニューロンの動特性" 生物物理. 33. 255-262 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Ito K-I.: "Contribution of voltage dependent calcuim channels to a evoked calcium response in a CA1 pyramidal cell" Neurosci Res.18. 18(Suppl.). S21-S21 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 宮川 博義: "細胞内Ca〓の変化と電気的活動の高速同時測定" 第34回 日本組織細胞化学会総会 抄録集. 34. 31-31 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Miyakawa H.: "Tetanus induced Ca increases in hippocampal CA1 pyramidal neurons" Neurosci.Res.18. S2-S2 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Kato.H.: "Ptype Ca channel blocker ω-AgaIVA blocks induction of long-term potentiation(LTP)and reduces depolarization induced Ca rise in hippocampal neurous." Society for Neurosci.Abstr.19. 1327-1327 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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