研究課題/領域番号 |
05267216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 泰尚 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (70025625)
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研究分担者 |
佐藤 二美 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60205961)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シナプス / 小脳-視床連絡 / 外側腹側核 / 基底核-視床連絡 / 前腹側核 / 視床-大脳皮質連絡 / 三次元的再構築 / HRP細胞内注入 |
研究概要 |
小脳系と、基底核系の二系統の回路の視床における連絡様式について、基底核-視床前腹側核と、小脳-外側腹側核の神経結合をシナプスのレベルで、しかも連続切片を使った三次元的立体復構によって比較検討することを試みた。ネコ視床外側腹側核(VL)のニューロン内にHRPを充填したガラス電極を刺入した上で、このニューロンが小脳核から入力を受け、大脳皮質運動野に軸索を送ることを確認して、電気泳動的にHRPを注入した。これを連続切片として電子顕微鏡で観察し次の結果を得た。視床のニューロンには軸索-細胞体シナプスが少ないため観察は樹状突起に主眼をおいた。軸索-樹状突起シナプスを示す終末を、その中に含まれる小胞の形態と終末の大きさから、円形の小胞を含む大型の終末(LR型)、円形の小胞をやや密に含む小型の終末(SR型)、やゝ扁平な小胞を含む終末(P型)の三種類に分類した。このうちP型はGABAに対する抗体で免疫反応が陽性になった。連続切片の像から三次元的に再構築したので、単に樹状突起としか同定できなかった突起が、何次の樹状突起であるのか明確にできた。LR型は一次と二次樹状突起上に、SR型は一次樹状突にほとんど無く、遠位になるにしたがって増加する傾向があり、P型はほゞまんべんなく分布することが判明した。 視床皮質投射ニューロンが小脳核の刺激で大きなEPSPを出すことから、細胞体の近傍に小脳からの入力終末がシナプスすると推測されており、LR型は小脳核からの投射線維終末と考えられているので、今回の結果はこれらの推測を肯定した。今後この小脳系の回路については、小脳核、大脳皮質(一次運動野)、視床網様核からの投射線維を順行性に標識し、連続切片で各終末の由来をより明確にし、基底核由来の投射線維についての同様の観察結果と比較検討する。
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