研究課題/領域番号 |
05268205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉川 博文 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (50175676)
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研究分担者 |
河村 富士夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10126039)
高橋 秀夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90013333)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 枯草菌 / 胞子形成 / 熱ショック / ストレス応答 / シャペロニン / groE |
研究概要 |
枯草菌は栄養源の枯渇等により、栄養増殖から胞子形成過程へと移行するが、我々は、この転換期に熱ショックによる熱耐性の誘導能が低下することを見いだした。この分化過程における熱ショック応答の機構を解析することを目的に、まずgroE遺伝子を指標として熱ショック応答の現象を経時的に追跡した。熱ショック条件下でも検定可能なBacillus kaustophilus由来の耐熱性β-ガラクトシダーゼ遺伝子をgroEプロモーター領域に連結した融合遺伝子を構築した。これを用いてgroE遺伝子の経時的発現を調べた結果、胞子形成開始一時間後(T_1)からgroEの発現が増大してくること、またこの増大が胞子形成開始期の転写因子であるSpo0Aの変異株では減少すること、さらに胞子形成期特異的なσ因子であるSpo0Hの変異株では殆ど起こらないことがわかった。このことは胞子形成期にSpo0H(σ^H)に依存した新たな転写調節機構の存在を示唆している。また熱ショックによってgroEの発現は誘導されるが、上記のspo0変異株では胞子形成期の熱ショック誘導のみが特異的に阻害された。一方、大腸菌で過剰生産させた枯草菌GroEL蛋白質をウサギに免疫して抗体を作製した。これを用いたウェスタンブロットの結果は、上記のリポーター遺伝子を用いた結果を裏づけた。以上の結果から、枯草菌の胞子形成期には栄養増殖期とは異なる新たな熱ショック応答機構が存在することが示唆された。
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