研究課題/領域番号 |
05268218
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 猛 名古屋大学, 農学部, 教授 (10174038)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 大腸菌 / 環境応答 / シグナル伝達 / 遺伝子発現制御 / 浸透圧センサー / 湾曲DNA / ヒートショック / コールドショック |
研究概要 |
本研究の成果として、大腸菌における環境ストレス応答に深く関与すると考えられる新たな分子シャペロンを発見した。大腸菌は一群の熱ショック応答タンパク質(HSP)を有しているが、その中でDnaJタンパク質はDnaKなどと協調的に働く分子シャペロンである。DnaJ類似タンパク質は他の細菌のみならず、酵母や人など真核生物にも広く存在していることが知られている。今回我々は、DnaJとアミノ酸配列において著しい類似性を新たなタンパク質(CbpA)を発見し、その遺伝子を取得した。この遺伝子(cbpA)を多コピープラスミドにてdnaJ欠損変異株に導入したところ、dnaJ変異株の元す温度感受性を相補した。また、dnaJ変異株ではラムダファージやFプラスミドの複製に欠損が見られるが、この欠損も多コピーのcbpA遺伝子の導入により相補された。従って、CbpAタンパク質はその機能においてもDnaJに類似していることが示唆された。また興味深いことに、dnaJとcbpAの同時変異株を作製したところ、温度感受性が高まった。更に、cbpA遺伝子の発現様式を詳細に解析したところ、細胞増殖の定常期に顕著な誘導発現が認められた。培地のリン源欠乏時にも特異的発現誘導が見られた。これらcbpA遺伝子の発現は、最近発見されたシグマ因子(シグマ-38)に強く依存していた。以上の結果より、CbpAはDnaJとは異なったストレス条件下で働く新規な分子シャペロンであると推論した。
|