研究課題/領域番号 |
05268233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
井上 正康 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80040278)
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研究分担者 |
佐藤 英介 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60211942)
井上 晃 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (50109857)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ストレス / 血液循環 / スーパーオキシド / スーパーオキシドジスムターゼ / Heme oxygenase / Hsp70 |
研究概要 |
各種のストレス情報が生体に及ぼす影響の中でも血液循環動態へのインパクトは極めて大きい。このため、臓器の局所血流(代謝の量)を支配する血管抵抗の変化もストレス応答機構として重要である。血管抵抗を規定する平滑筋細胞の収縮弛緩は自律神経と内皮細胞代謝により二重に制御されおり、内皮依存性弛緩因子(NOラジカル)やその消去物質(スーパーオキシド)はその代表的制御物質である。したがって、血管局所における活性酵素代謝はストレスの分子機構解明に不可欠である。本研究は、酸化ストレス下におけるSOD、Heme Oxygenase,HSP-70などの遺伝子発現動態を解析し、ストレス応答機構と遺伝子制御機構の相関性を活性酸素代謝による血液循環制御の観点から解明することを目的とする。これまでに、スーパーオキシドを特異的に不均化するSODを遺伝子工学および化学修飾により改変し、長時間作動型SODや血管内皮指向性SODを開発し、両者が血液循環を改善してストレス性胃粘膜病変を劇的に阻止軽減することを示した。本ストレス負荷時には、視床下部-脳下垂体-副腎および血管にHSP-70のみならず、活性酸素代謝酵素も誘導されることが判明し、本応答現象と活性酸素依存性の血液循環動態の変化が深く関係する事が明らかになった。さらに、ストレス症状の好発部位である胃、小腸および直腸などの運動機能と循環動態がストレスにより激変すること、およびその背景にも活性酸素代謝酵素やストレス蛋白質が関与している可能性が明らかとなった。消化管は微生物をはじめとする生体異物の侵入路であるが、特にエンドトキシンが門脈系に侵入するとKupffer細胞を主体とする肝類洞細胞が強く代謝応答する。この際にも活性酸素代謝酵素やストレス蛋白の誘導合成が起こることが判明した。この様な代謝応答変化の生体防御機能における病態生理学的意義を明らかにするために、これまでに開発した病巣指向性SOD群を用い、視床下部-脳下垂体-副腎、消化管、肝、および各種組織の血管系におけるストレス蛋白質の発現をmRNAレベルで解析しつつある。
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