研究課題/領域番号 |
05269211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岸本 健雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00124222)
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研究分担者 |
大隅 圭太 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20221822)
立花 和則 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60212031)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | G1サイクリン / サイクリンD / cdk / M期とS期のカップリング / DNA複製 / 減数分裂間期 / 受精卵 / 胞胚期 |
研究概要 |
本研究の目的は、G1サイクリン・cdk複合体を手掛りとして、初期胚におけるS期制御の機構を、M期とS期のcouplingという視点から明らかにすることである。本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.減数分裂間期では、M期が終了したあとS期を経ずに再びM期へ進行する。アフリカツメガエル減数分裂間期卵をpuromycin処理したところ、間期の核が形成されてDNA複製がおこると判明した。このことは、減数分裂間期には既にDNA複製能は備わっているが、それを抑えるシステムが蛋白質合成依存性に存在している可能性を示唆している。 2.減数分裂を完了した成熟卵では、M期が終了しているにもかかわらず、受精の刺激なしにはS期が始まらない。ところがこうしたヒトデやウニの成熟未受精卵では、emetine等で蛋白質合成を抑えると、それだけで受精の刺激なしにDNA複製が開始すると判明した。このことは、上記の1とあわせて、S期開始の抑制因子が蛋白質合成に依存して存在していることを示唆している。正常の受精の場合は、この抑制因子がG1サイクリン・cdkの作用の下流にあって不活化されて、S期が始まると考えられる。 3.胞胚期にはG1期が出現してM期とS期のcouplingが成立する(中期胞胚転移,MBT)とされている。アフリカツメガエル卵細胞からはじめてサイクリンD1、D2のcDNAをクロン化し、サイクリンD2特異的な抗体を作製した。これによる解析の結果、サイクリンD2蛋白質は未受精卵には存在しないが、受精後その量は初期発生に応じて増加し、胞胚期にピークに達したあと減少すると判明した。このサイクリンD2蛋白質量のピーク期とMBTとは一致するので、両者の因果関係を現在解析中である。
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